震災と心の傷:リコレクト調査
2011-06-01 12:31:27
東日本大震災後ストレス相談の実態:恐怖・不眠・罪悪感…リコレクトの調査結果が示す心の傷
東日本大震災後ストレス相談の実態:恐怖、不眠、罪悪感…リコレクトの調査結果が示す心の傷
2011年3月11日に発生した東日本大震災。未曾有の大災害から人々の心にも大きな傷跡が残されました。株式会社リコレクトは、震災直後から被災者の方々に向けて無料のメール相談サービスを提供。その2ヶ月間の相談内容を分析した結果が発表され、震災による精神的な影響の深刻さが改めて浮き彫りになりました。
女性からの相談が74%を占める
相談者の内訳は、女性が74%、男性が20%、不明が6%でした。女性の方が男性よりも相談しやすい傾向にある一方、男性も同様にストレスを抱えているものの、相談することをためらいがちであることが示唆されます。
地震への恐怖が最大の悩み
相談内容で最も多かったのは、「地震・余震が怖い」というもので、全体の32.7%を占めました。地震や余震への恐怖、不安からくる不眠も30.8%と高い割合を占め、震災の直接的な影響によるストレスの大きさが分かります。
被災地以外からの相談も増加
相談者の居住地をみると、東京が31.7%と最も多く、次いで仙台(17.3%)、福島(11.5%)と被災地からの相談が目立ちました。しかし、東海や関西地方など、地震の影響が比較的少なかった地域からの相談も増加。これは、震災の報道によって地震への恐怖が全国的に高まったことを示唆しています。
罪悪感や体調不良も深刻な問題
「不自由な生活への罪悪感」(17.3%)、「体調不良」(16.3%)、「イライラする」(14.4%)といった悩みも深刻です。「罪悪感」は、避難生活を送る方や、家族・故郷を失った方の中に多く見られました。また、「体調不良」も、精神的なストレスによるものと考えられます。
時間経過によるストレスの変化
相談件数は、震災後1ヶ月で66件、1~2ヶ月で30件、2ヶ月以降は8件と、時間と共に減少傾向にあります。しかし、相談内容は変化しました。1ヶ月後以降は「眠れない」が最多となり、「体調不良」、「イライラする」、「精神疾患の再発」などが増加。初期の地震への恐怖から、より複雑で慢性的なストレスへと変化していることがうかがえます。
リコレクト代表、森川陽太郎氏のコメント
リコレクト代表の森川陽太郎氏は、無料相談サービスを通じて多くの被災者の方々の声に耳を傾けました。「身近に相談できる人がいない」「心配をかけたくないので人には言いたくない」といった相談者の言葉から、多くの人がストレスを抱えながらも、それを一人で抱え込んでいる現状が見えてきました。森川氏は、個人が自身のストレスケアをすることの重要性と、相談できる環境の必要性を訴えています。
まとめ
リコレクトの調査は、東日本大震災が被災地だけでなく、日本全国に広がる精神的な影響を与えたことを改めて示しています。地震への恐怖、不眠、罪悪感といった多様なストレスを抱える人々への支援は、今後も重要な課題として継続していく必要があります。
会社情報
- 会社名
-
株式会社リコレクト
- 住所
- 東京都千代田区飯田橋1-7-4モリカワビル2F
- 電話番号
-
03-6268-9600