AIと障害者が共創する社会を目指して
「Poteer(ポティア)」という新しいアプリが、障害者の雇用の可能性を広げるプロジェクトとして注目を集めています。このアプリは、世界的テクノロジーイベント「VIVA TECHNOLOGY 2025」において、日本を代表する企業として採択されるなど、その背景にある理念や成果が評価されています。
VIVA TECHNOLOGY 2025 とは?
フランスで開催されるVIVA TECHNOLOGYは、GoogleやLVMHなどの著名企業や、革新を追求するスタートアップを集め、技術的な進展やデジタルトランスフォーメーションに関する知見を共有するイベントです。2025年度は、AIや気候問題、ヘルスケアなど多岐にわたるテーマが議論されます。このような場に、日本の企業が選ばれたことは、技術革新が国際的に評価されている証拠です。
「Poteer(ポティア)」の背景
現在、日本では18〜64歳の約9割の障害者、つまり約416万人が就労することが困難な状況にあります。特に重度の知的や身体の障害を持つ方々は、経済的自立や社会的な参加が難しい現実に直面しています。このような状況の中、「Poteer」は、AIの力を利用して障害者の方々にも新たな働き方を提供し、社会貢献を目指しています。
「Poteer」が目指す社会
「Poteer」は、障害者の方々が日常の行動データ(視線の動きや歩行の跡、声のリズムなど)を用いてクリエイティブな素材を生成するプラットフォームです。AI技術を駆使することで、彼らの「ささいな活動」が、アートやデザインなどの価値ある作品に変わります。セクターの垣根を越えたコラボレーションが実現することで、障害者自身が社会的価値を生み出すことが可能になるのです。
「Poteer」の仕組み
Poteerは、次のプロセスでユーザーのデータを活用します。
1.
データ収集: 日常生活における行動のデータを収集します。
2.
AI変換: 収集したデータをAIに入力し、視覚的な素材を生成します。
3.
販売・還元: 生成された素材は、企業やクリエイターに販売されて収益の一部が参加者に還元されます。
このようにして、Poteerは障害者の社会参加を促進し、企業にとっても新たな価値を生み出すことができます。また、企業側も社会貢献をすることで、ブランドイメージを強化することが可能です。
多様なクリエイティブ素材
Poteerでは、以下のような多様なクリエイティブ素材の生成が可能です。
- - ウェブやSNS向けの広告用ビジュアル
- - オフィス空間を飾るデジタルアート
- - ギフト用のデザイン
- - プレゼンテーション資料
こうしたクリエイティブが、障害者の方自身の手によって生み出されるという点が大きな魅力です。
経営陣の思い
Poteerを開発した代表の小林氏は、自らの家庭の経験からこのプロジェクトに取り組むことを決意しました。最重度の知的障害を持つ息子を持つ小林氏は、障害を持つ人々が社会で活躍する機会の創出に情熱を注いでいます。こちらの活動を通じて、AIの力で障害者の可能性を引き出し、全員が共創できる未来を目指しています。
お問い合わせと今後の展望
Poteerのサービスは、障害者やその家族、また企業にとっても新しい形の協力の場を提供します。興味のある方は、ぜひPoteerの公式サイトを訪れ、新たな創造のプロセスに参加してみてください。
「Poteer(ポティア)」のサービスサイト:
Poteer公式サイト
「Poteer」ギャラリーサイト:
Poteerギャラリー
私たちはこの試みを通じて、テクノロジーが人々の生活を豊かにし、誰もが創造的な機会を持つ未来を実現することを目指しています。