エトロの2024秋冬広告キャンペーン「エトロアクト」
エトロが発表した2024秋冬の広告キャンペーン「エトロアクト」は、ホメロスの名作『オデュッセイア』にインスパイアされています。「さあ、真実を話してくれ。これまでどこをさまよい、どの国を旅したのか?」という問いかけから始まるこの作品は、まるで旅の始まりを告げるかのようです。
これまでのエトロの広告にない新しいアプローチとして、クリエイティブ・ディレクターのマルコ・デ・ヴィンチェンツォが故郷であるシチリア・メッシーナ海峡を背景にしたビジュアルを展開しています。その美しく壮大な風景を舞台に、一連のタブロー・ヴィヴァン(生きた絵画)が展開され、古代ギリシャ劇場の伝統を感じさせるものとなっています。
このキャンペーンでは、エトロのさすらいのナビゲーターたちが、島の最北東端に位置する漁村、カポ・ペロロから漂着し、未知の土地に迷い込む様子が描かれています。防波堤に囲まれた澄んだ水の中で、彼らは自らの旅を振り返り「発見とは地図のない旅であり、偶然が決定的な出会いを導く」というデ・ヴィンチェンツォの言葉を思い出します。これは、エトロの旅が単なる移動にとどまらず、出会いや経験を通じた成長を象徴しているのです。
デザインの面では、エトロの時代を超えたエレガンスが光ります。流れるようなライン、身体を包み込むニット、きらめく箔やジャカード織の模様、さらに象徴的なペイズリー柄など、多彩な素材と色合いが融合し、豊かなコントラストを生み出しています。これにより、古きものが現代に再生される様子が表現されています。
視覚的な美しさに加え、エトロのファッションは常に新しい物語を紡いできました。このキャンペーンでも同様に、幻想的かつ魅惑的な舞台で、未だ見ぬ世界を探し求める心が映し出されています。
トータルコーディネートを楽しむ街を歩く姿から、特別な日のためのスタイリングまで、エトロの魅力はどのシーンでも際立ちます。そして、この秋冬の新作は、まさにそのエレガンスを象徴する作品となることでしょう。時を超えたデザインが、私たちに何を語りかけているのか、そのメッセージを受け取るために、私たちも新たな旅に出かける準備を始めてみてはいかがでしょうか。
エトロの2024秋冬キャンペーンは、ただのファッション広告ではなく、人生の旅をテーマにしたアート作品と言えるでしょう。世界中の文化や歴史に影響を与えたこのブランドは、今後も私たちに新しい視点を提供してくれることでしょう。