ウナギのすべてがわかる！決定版図鑑『日本のウナギ生態・文化・保全と図鑑』

ウナギ愛が深まる！決定版図鑑『日本のウナギ生態・文化・保全と図鑑』

土用丑の日に合わせて、ウナギの魅力を深く掘り下げた図鑑『日本のウナギ生態・文化・保全と図鑑』が、山と溪谷社から7月19日に発売されました。近年、減少が叫ばれるウナギ。本書は、生態、文化、保全という多角的な視点から、ウナギへの理解を深める一冊となっています。

写真家・内山りゅう氏の圧巻の水中写真

本書の魅力の一つは、水中写真家・内山りゅう氏による、ダイナミックかつ美しい水中写真の数々です。ウナギの生態を鮮明に捉えた写真の数々は、まるで水中の世界に引き込まれるような、臨場感あふれるものばかり。貴重な写真の中には、本邦初公開のものも含まれており、見ているだけでも価値のある一冊となっています。

専門家による最新の知見と研究成果

本書では、魚類生態学の専門家である脇谷量子郎先生と、保全生態学の専門家である海部健三先生による、最新の知見と研究成果が、分かりやすく解説されています。

ウナギの生態と生活環

前半では、ウナギという魚の分類、形態、世界に生息するウナギの種類、そして独特な稚魚期など、基礎的な知識から解説。後半では、日本のウナギ4種の形態や分布、生態などが、図鑑形式で詳しく紹介されています。さらに、シラスウナギから成魚になるまでの過程、川での生活、産卵回遊、そしてオオウナギの生態など、これまであまり知られていなかったウナギの生態について、豊富な写真と図解を用いて詳しく解説しています。

ウナギと日本人の深い関係

本書では、ウナギと日本人の歴史、文化、食文化についても深く掘り下げています。縄文時代から続くウナギと日本人の関係、ウナギの養殖や信仰、歴史から読み解くウナギ分布の変化、さまざまな漁法、そして蒲焼や鰻丼の歴史など、興味深い内容が満載です。

ウナギの未来を考える

近年、ウナギの減少が深刻化していることを受け、本書では、ウナギの保全に重要な日本の河川・自然環境について解説しています。ウナギの集団構造、国際協力、海の環境変化、過剰な消費、成育場環境の劣化、そして放流や完全養殖といった、さまざまな問題点や取り組みについて考察しています。

本書は、ウナギという魚を通して、自然環境、食文化、そして私たちの未来について考える、重要な一冊となっています。