エリジオンがPMI Checkerを発表
株式会社エリジオンは、3D CADデータに付加された製品製造情報(PMI)の整合性を自動的に検証する新機能を開発しました。この機能は2025年9月17日にリリースされる3Dデータ変換・活用プラットフォーム「3D-SUITE(スリーディースイート)」の最新バージョン「EX11.0」に搭載されます。また、製造業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める上での重要な要素として、「3D正」の観点が注目を集めている中、エリジオンの新機能はその実現に向けた大きな一歩です。
3D正とPMIの重要性
3D正とは、設計から製造、部品調達、製品販売に至るまでの全ての部署が3D CADデータを中心に連携し、業務が効率的に進行する取り組みです。このプロセスでは、製品の形状やPMIが人とシステムに正確に伝わることが不可欠です。誤ったPMIが付与されたり、変更頻度が高い設計の中で整合性が失われると、後工程における不具合の原因となります。
新たな第三のチェッカーの役割
エリジオンが開発した「PMI Checker」は、設計者やベテラン技術者による従来の目視での確認に加わる新たなサポートツールとして注目されています。この自動検証機能は、製品品質を格段に向上させることが期待されています。
3D-SUITE PMI Checkerの特長
PMI Checkerの特長は以下の通りです。
- - 国際標準化機構ISO、米国機械学会ASMEの規格に準拠
- - 様々なCADデータ形式に対応
- - 検証結果を3D PDFや専用ビューアーでレポート出力
約30項目にわたるPMI検証を行い、正しい情報がきちんと伝わるようサポートします。
正確なPMIを維持するために
PMI Checkerは、PMIの整合性を保つために重要な役割を果たします。設計者が修正した場合でも、データ変換の過程でSemantic PMIが破損しないように設計されています。これにより、製造プロセス全体における効率的な情報共有が実現します。
新機能の追加と改善
EX11.0では、新たにPMI変換が可能となるCADシステムやデータ形式が拡充され、具体的にはCreoが追加される他、様々なCADソフトウェアに対応することで、より柔軟なデータ利用が可能になります。
- - 入力に追加対応: Creo
- - 出力に追加対応: 3DEXPERIENCE, Creo, SOLIDWORKS, QIF
また、アセンブリー検証機能、HTMLレポートのグルーピング機能も追加され、コミュニケーションの円滑化が図られます。これにより、関係者間の情報伝達がよりスムーズになることが期待されます。
製品名の変更
製品名は従来の「Elysium 3DxSUITE」から「Elysium 3D-SUITE」に変更され、呼称は「エリジオン スリーディースイート」のままとなります。
この新しいアップデートによって、エリジオンは製造業界の生産性向上をさらに後押しすることが期待されます。今後も3Dデータを使用した多様なサービスを展開し、より効率的なものづくりに貢献していくでしょう。