兵庫県病院局が業務効率化を目指して導入した「バクラク」
兵庫県病院局は、新たな業務効率化の手段として、株式会社LayerXが提供するクラウドサービス「バクラク」を導入しました。この取り組みは、県立病院や診療所における請求書管理をデジタル化し、業務を効率化することを目的としています。特に、AIを活用した自動化機能が、多くの事務作業の手間を軽減することが期待されています。
「バクラク」のシリーズとは
「バクラク」は、稟議や経費精算、法人カード管理、請求書の受取や発行、勤怠管理など、オフィスのバックオフィス業務を効率化するためのクラウドサービスです。本サービスには、最先端のAI機能が組み込まれており、従業員がよりコアな業務に集中できる新たな働き方を提供します。
兵庫県病院局が導入したのは、「バクラク請求書受取」で、請求書をスキャンするだけで情報をAIが自動で入力できる仕組みが特徴です。これにより、従来の手入力作業が大幅に減少することが見込まれます。
導入の背景と期待される成果
兵庫県病院局は、全県的に働き方改革を進める一環として、ICTを活用した業務改革を推進しています。この背景には、効率化を図ることによって得られる様々な利点があります。具体的には、以下の二つのポイントが挙げられます。
1.
紙管理の負担軽減
導入前は、紙の請求書を中心に運用されていましたが、それでは郵送や手渡し、そして手入力が求められ、多くの業務工数を要しました。例えば、兵庫県立こども病院では、月に約1段分の棚を占める紙の請求書が発生しており、保管スペースの確保という課題も存在しました。バクラクの導入により、この作業が効率化され、情報の検索性が向上しました。
2.
公営企業会計システムとの連携
兵庫県病院局では、複式簿記による仕訳を行うために、会計システム「SOFIA」を利用しています。このシステムとバクラクが連携することにより、過去の取引履歴からAIが仕訳候補を自動的に提示し、職員の学習コストを低減することが期待されています。導入からのおおよそ4ヶ月で、すでに「兵庫県立こども病院」では3,000件以上の請求書が処理されているとのことです。
今後の展望と行政の声
兵庫県病院局経営課の藤田主任は、バクラク導入前には紙の管理に多くの課題を抱えていたとコメントしています。彼は、取引先に負担をかけないシステム選定が重要であるとし、AI-OCR機能による正確な読み取りや会計システムとの連携が導入の決め手になったとのこと。また、問い合わせへの迅速なレスポンスも大変助かっていると述べました。
今後は、電子決裁システムとの併用を視野に入れ、完全な電子化を実現させることで、さらなる業務効率化を目指す方向です。
兵庫県病院局の概要と地域医療の信頼
兵庫県病院局は、現在13の県立病院と1つの診療所を運営しており、「より良質な医療の提供」を基本理念として具体的な医療体制の確立を目指しています。これにより、地域社会から信頼される医療機関を作り上げることが期待されています。また、LayerXの株式会社も「すべての経済活動のデジタル化」を掲げ、様々な業務の効率化ソリューションを提供しています。
このように、新しいテクノロジーを活用した業務ナビゲーションが進むことで、今後も医療現場での働き方改革が加速していくことでしょう。