倉敷地区にてブルドーザーによるスラグ破砕作業の自動化実証がスタート

倉敷地区における新たな自動化技術の実証に関するお知らせ

JFE物流株式会社は、JFE瀬戸内物流株式会社、そして株式会社DeepXと手を組み、倉敷地区のスラグ処理において自動化技術の実証を行っています。この取り組みは、作業者の負担を軽減し、安全な作業環境を実現するための新たな一歩を示しています。

スラグ処理作業の背景

JFEスチール株式会社の西日本製鉄所倉敷地区では、製鋼工程から発生する高温の溶解スラグを取り扱っています。このスラグは冷却後に固化し、ブルドーザーのリッパーで破砕される必要があります。しかし、従来の方法では、作業員が車両に搭乗して作業を行うため、冷却不足のスラグとの接触による火災リスクが存在していました。この問題の解決は、作業員の安全性を確保し、人手不足の解消にも寄与する重要な課題でありました。

自動化技術の詳細

このプロジェクトでは、ブルドーザーに取り付けた先進的なセンサー技術を活用します。GNSS（衛星測位システム）、IMU（慣性計測装置）、傾斜計など、複数のセンサーがリアルタイムでブルドーザーの位置、姿勢、状態を把握し、変化する路面状況に適応した自動制御システムを構築しました。これにより、作業員がリモートで指示することで、ブルドーザーが最適な移動経路を自動で算出し、その経路に従って走行し、効率的にスラグを破砕することが可能となります。

実証実験は現在進行中であり、年内には正式な導入が予定されています。この技術の導入により、倉敷地区におけるスラグ処理作業がより安全かつ効率的に行われることが期待されています。

環境と社会への配慮

JFE物流株式会社とJFE瀬戸内物流株式会社は、この自動化技術開発にとどまらず、スラグ処理に関わる他の作業についても自動化技術の開発を進めています。これらの取り組みは、JFEグループが推進する「環境的・社会的持続性の確保」の一環として、作業者の安全を守りつつ、持続可能な生産環境を構築するためのものです。

DeepXについて

自動運転システムの開発を専門とする株式会社DeepXは、東京大学松尾研究室から生まれたAIスタートアップです。この企業は、労働力不足や熟練作業者の不足、過酷な作業環境など、現場の課題解決を目指し、さまざまな技術を駆使しています。日本の労働力不足の問題の解決に寄与することを掲げています。

今後も、これらの取り組みを通じて、より新しい技術の開発や導入を進めてまいります。生産性の向上と安全の確保を両立させ、持続可能な社会の実現を目指すこの挑戦に注目していきたいところです。