「ディオール」クリエイティブ・ディレクター、マリア・グラツィア・キウリ氏が退任へ 9年間の功績とメゾンの未来
ファッション界に激震が走っています。世界有数のラグジュアリーメゾン、クリスチャン・ディオールは、2016年から約9年間にわたりウィメンズコレクションのクリエイティブ・ディレクターを務めてきたマリア・グラツィア・キウリ氏の退任を、2025年5月29日付で正式に発表しました。メゾン史上初の女性クリエイティブ・ディレクターとして、彼女が築いた功績は計り知れません。
キウリ氏は就任以来、革新的な創造性と明確なフェミニストの視点で、ディオールのウィメンズウェアに新たな息吹を吹き込みました。彼女が手掛けたコレクションは、ムッシュ ディオールの伝統を尊重しつつ、現代女性の多様な声に耳を傾け、力強いメッセージを込めたものでした。「We Should All Be Feminists」Tシャツは、ファッションの枠を超えた社会的なムーブメントを生み出し、メゾンに熱烈な支持をもたらしました。彼女の作品は、単なる衣服ではなく、女性のエンパワーメントを象徴する存在として、その地位を確立しました。
クリスチャン ディオール クチュールの会長兼CEO、デルフィーヌ・アルノー氏は、キウリ氏の多大な功績に対し深い感謝の意を表明。「マリア・グラツィア・キウリは、就任以来、フェミニストの視点と非凡な創造力をもって、ムッシュ ディオールの精神を見事に継承し、極めて魅惑的なコレクションを生み出しました。彼女はディオールの輝かしい歴史に重要な一章を刻むとともに、メゾンの目覚ましい成長に大きく貢献し、初の女性としてウィメンズコレクションを率いる歴史的偉業を達成しました」と評価しました。
マリア・グラツィア・キウリ氏自身も、「素晴らしい機会を与えられたことに深く感謝しています」と語っています。彼女は、自身を信頼し支えてくれたアルノー氏とデルフィーヌ・アルノー氏に感謝を述べるとともに、自身のビジョン実現に不可欠だったチームメンバーとアトリエの職人たちの貢献を強調。「彼女たちの才能と専門知識があったからこそ、様々な女性アーティストたちとの対話を通じて、女性のファッションに真摯に向き合うという私の哲学を実現できました。私たちは共に、記憶に残る、そして私自身が心から誇りに思える章を書き上げることができたのです」と、充実感をにじませながら振り返りました。
キウリ氏の退任は、ファッション業界全体に大きな影響を与えるでしょう。彼女は単に美しい服をデザインするだけでなく、ファッションを通じて社会的な対話を生み出し、ジェンダーに対する意識を変革しようと試みました。そのメッセージ性と商業的成功の両立は、今後のラグジュアリーブランドのあり方にも一石を投じるものです。
今回の退任劇は、ディオールにとって新たな時代の幕開けを意味します。次にクリエイティブ・ディレクターの座に就くのが誰になるのか、そしてどのような新しいビジョンを構築していくのか、世界中のファッション愛好家や業界関係者の注目が集まっています。メゾンの未来が、この大きな変化によってどのように形作られていくのか、その動向から目が離せません。
会社情報
- 会社名
-
クリスチャン・ディオール合同会社
- 住所
- 東京都千代田区平河町
- 電話番号
-