2025年に開催された障がい者雇用先進企業セミナーの成果と考察

2025年7月15日、東京と大阪の二拠点で「現場の知見から学ぶ！障がい者雇用先進企業の取り組みセミナー」が開催されました。本セミナーは、障がい者雇用の推進を目指す企業が集まり、成功事例の共有やネットワーク構築を目的としており、株式会社TMJや株式会社インディードリクルートパートナーズの協力により実現しました。

セミナーの背景と目的

障がい者雇用に関する法定雇用率の引き上げや合理的配慮が義務化された今日、企業はこの問題に真剣に向き合う必要があります。しかし、実際には「誰もが働きやすい環境を実現する」ために多くの企業が課題を抱えています。このような現状を受け、採用支援を行っている『リクルートエージェント』と、障がい者の就労支援に取り組むTMJが共同でセミナーを企画しました。

セミナーの概要

セミナーでは、障がい者雇用の必要性や企業の取り組みについて深い議論が交わされました。法政大学の眞保智子教授による基調講演があり、障がい者雇用を人的資本経営の一環と捉える重要な視点が提示されました。特に、得意な業務に特化することで生産性が向上し、若年層が重視するDE&Iへの対応が企業の魅力向上に繋がることが強調されました。

続いて、4社の事例発表が行われ、具体的な取り組みが紹介されました。株式会社マイナビパートナーズの藤本社長は、障がい者雇用を「義務」から「選択」へと変える取り組みについて語り、業務自動化と創造的な職域の展開の重要性を訴えました。株式会社リクルートオフィスサポートの真島社長は、障がい者の育成や評価の仕組みを整えることで、事業投資として障がい者雇用を位置付けています。

また、株式会社SHIFTの北川副部長は、AIを活用した業務の効率化やキャリア形成支援を行うことで、長期的な定着を後押ししていることを述べました。株式会社LIXILからは、障がい者雇用を企業戦略の一環として捉え、新卒採用による職場文化の変革や障がい者視点の商品の展開が紹介されました。

トークセッションでの活発な議論

その後のトークセッションでは、モデレーターの山本直が登壇者たちと活発な質疑応答を進行しました。参加者は、「できない前提」ではなく「どうすればできるか」という姿勢で臨むことの重要性を共有し、障がい者雇用を企業文化や人材戦略の進化、さらには社会的価値創造の手段として捉えることが求められました。

特に、マイナビパートナーズが提案する「相互配慮の共有」や、リクルートオフィスサポートの「面接時の雰囲気づくり」、SHIFTの「ポテンシャル採用と育成」、LIXILの「職場文化の変革」など、各社の実践的な工夫が印象に残りました。

交流会での情報交換

その後の交流会では、参加企業間で触発され合いながら、自社の取り組みや課題について緊密な情報交換が行われました。障がい者雇用のさらなる発展に向けた協力の可能性が広がる貴重な場となりました。

イベント担当者の振り返り

イベントを振り返り、poshulou Lab.の井川翼プロダクトマネージャーは、登壇者が障がい者の雇用に対してどれだけ本気で取り組んでいるかを強く感じたと述べました。障がい者雇用を単なる義務ではなく、企業文化や社会的責任の一環として真剣に捉える企業の姿勢には、多くの参加者が共感したのではないかと思います。今回の経験を基に、環境づくりに寄与する活動を今後も続けていくことを決意しています。