摂南大学が解明した加工用トマトの腐敗の原因
摂南大学農学部の飯田祐一郎准教授と大手食品メーカー・カゴメ株式会社の研究チームが、加工用トマトの成熟期に発生する腐敗症状の要因を特定しました。この研究の成果は、今後の食品生産における防除対策に寄与することが見込まれています。
なぜ加工トマトの腐敗に注目するのか?
加工用トマトは、主にジュースやソースの原料として使用されるため、安定した品質が求められます。ここ数年、生産者の高齢化や機械化収穫の導入が進む中で、効率的な栽培が重要視されています。この機械化収穫では、果実が一斉に熟す同熟性が求められますが、これが成熟期の病害による腐敗を促進する原因となることがあるのです。
研究の背景と目的
腐敗は生産性の低下や収穫量の減少につながるため、生産者にとって長年の課題です。しかし、どの病害がこれらの腐敗を引き起こしているか、またそのメカニズムは十分に解明されていませんでした。そこで、飯田准教授らの研究チームが果実の腐敗部から微生物を分離し、原因を深く調査することにしました。
得られた結果
研究の結果、Colletotrichum属とAlternaria属の複数の糸状菌が腐敗の原因であることがデータで示されました。特に、Colletotrichum属は複数の種類が関与していることが確認され、成熟した果実に腐敗が強く現れる傾向が明らかになりました。これにより、農業現場で見られる特有の症状を再現することにも成功しました。
今後の展望
この情報を活用すれば、加工用トマトの病害抵抗性品種の開発や、新たな防除技術の確立が期待されます。持続的な農業生産を支えるために、この研究成果は非常に重要な基礎情報として機能するでしょう。
今回の研究成果は、国際学術誌「European Journal of Plant Pathology」に発表され、2026年2月3日に掲載予定です。
最新の農業技術が進展する中、この研究は加工用トマトの品質向上と安定供給の実現に向けた大きなステップになります。今後の展開に期待が寄せられています。