CLTによる新しい土木利用法
株式会社イトイグループホールディングスが2025年4月1日付で新会社「株式会社CLTmat」を設立することを発表しました。この新会社は、強度と軽量性を持つCLT(Cross Laminated Timber、直交集成板)を活用し、これまでとは異なる土木分野への新しいアプローチを行います。
CLTmat設立の背景
CLTはこれまで、主に建物の建材として利用されてきましたが、その優れた特性を活かし、土木分野での利用が期待されています。具体的には、土木工事現場でよく見られる敷鉄板の代わりとして「CLTmat」が登場します。この新たな資材を導入することで、運搬コストの削減や環境負荷の軽減を実現しようとしています。
CLTの特長と環境への貢献
CLTmatの主な特長は、木質材料ならではの軽さです。これにより、従来の敷鉄板と比較して運搬コストを低減できるだけでなく、現場での取り扱いや安全性も大幅に向上します。また、CLTmatは敷鉄板に比べて製造から運搬までの炭素排出量を約90%削減できるため、持続可能な開発への貢献が期待されています。
多様な用途に対応
CLTmatは、土木現場での仮設道路やヤード、住宅の外構、さらにはイベント会場での仮設床など、様々な用途に適しています。従来の資材からの転換により、より柔軟な対応が可能になるでしょう。
NETIS登録済み製品
CLTmatは、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)にも登録されています。この登録には、公共工事での採用促進といったメリットがあり、新技術の評価対象としても追加ポイントが得られるため、今後従来よりも多くのプロジェクトに導入されることが期待されます。
CLTmatのビジネス展望
株式会社CLTmatでは、CLTmatのレンタルと販売を事業の中心に据えていく方針です。この事業を通じて、建築資材としてしか利用されていなかったCLTの土木資材利用を広げ、市場規模の拡大に力を入れています。現状、日本の集成材の年間生産量は約167万m³であるのに対し、CLTはわずか約1.8万m³と小規模です。しかし、土木分野への展開が進むことでさらなる成長が期待されています。
会社概要
- - 会社名: 株式会社CLTmat
- - 所在地: 北海道札幌市中央区大通東4丁目2-2 米澤ビル5F
- - 代表取締役: 菅原大介
- - 設立: 2025年4月1日
- - 事業内容: CLTmatのレンタル・販売
行動指針としてのCLTmatが、土木分野における新たな価値を生み出すことに期待が寄せられています。今後の進展から目が離せません。