新宿区医師会の挑戦：地域に根ざした医療の未来とは

地域に根ざした医療の重要性とは

新宿区医師会の岡部富士子会長は、地域医療における多様な取り組みを通じて、地域住民の健康をしっかりと支えることが重要だと考えています。東京都心の新宿区は、大勢の人々が暮らし、様々な世代や背景が共存する場所です。このような多様性がある地域では、医療に対する関心も高く、地域住民が求めるサービスも多岐にわたります。近年、新宿区医師会は地域住民向けの医療公開講座を定期的に開催し、身近な症状から最新の医療技術まで広範なテーマを提供しています。

特に注目すべきは、医療講座の参加者数の増加です。平成25年から開始されたこの講座には、先日170人以上の参加者が集まり、地域の医療に対する関心の高さが証明されました。これにより、医師は地域の健康への貢献意識をさらに高めていく必要があります。

医療機関との連携の重要性

新宿区には、三つの大学病院と五つの基幹病院が存在し、これらの医療機関が医師会と連携して地域住民に質の高い医療を提供しています。これにより、必要な時には高度な医療サービスを簡単に受けることが可能で、地域の患者に安心感をもたらすことができます。また、区民健康センターでは、健康診査やがん検診、さらには日曜や祝日の昼夜診療など多彩なサービスを展開しています。

災害時には、センターが医療の指令拠点として機能するため、医師会の災害対策本部と連携し、在宅での医療支援も行う準備がされています。これも一つの地域医療の形です。

多職種の連携がカギ

岡部会長が強調するのは、医療を支えるのは医師だけではなく、歯科医師、薬剤師、看護師、リハビリ職、さらには地域のデイサービスのスタッフなど、さまざまな職種の専門家との連携が欠かせないということです。この協力によって、地域の健康づくりに貢献している医師会は、各専門職と共に勉強会を開催し、情報共有や専門性の向上を目指しています。

例えば、医師会、歯科医師会、薬剤師会の三師会の連携による地域包括ケアを進めることで、適切な医療提供が確保されています。また、講座を通じて地域住民が病気の基礎知識や予防法を学べる機会も提供されています。

「ドクターズ・ファイル」の役割

地域医療情報サイト「ドクターズ・ファイル」もまた、新宿区での医療の情報発信の一翼を担っています。このサイトは、全国の医療機関の情報を提供し、患者が自分に合ったクリニックやドクターを探しやすくするプラットフォームです。岡部会長もこのサイトを通じて、地域医療の改善と強化に寄与していることを誇りに思っています。

医療情報を整理・発信することで、住民が必要な医療サービスにアクセスしやすくなり、医療機関と患者の信頼関係を築くことが狙いです。これからも「ドクターズ・ファイル」を通じて、より多くの人に地域医療の重要性を伝え続けていきたいと岡部会長は語ります。