神々の国出雲 海ごみゼロプロジェクトの実施
近年、海洋ごみの問題が深刻化している中、島根県出雲市においては、地元の高校生たちが中心となり、海の環境を守るための調査活動が行われました。これは、一般社団法人海と日本プロジェクトinしまねと出雲市が共同で進めている「神々の国出雲 海ごみゼロプロジェクト」の一環として、6月15日に実施されたものです。
イベント詳細
この調査は出雲市三津町の三津海岸および佐香コミュニティセンターで行われ、出雲西高校、大社高校、平田高校の生徒たちが参加しました。当日は、島根大学の辻本彰准教授による海洋ごみ観察の説明から始まり、その後、高校生たちは実際に海岸でごみを拾う活動を通じて、海洋ごみの現状を理解することとなりました。
ごみ拾い活動
参加者たちは6つのグループに分かれ、雨の降った後の岩場でごみ拾いを行いました。約20分間の活動で、彼らは様々な種類のごみを見つけ、障害となる岩の隙間からもごみを取り出しました。これにより、出雲市の美しい海岸の保全が進むと同時に、高校生たちの環境意識が高まる貴重な機会となりました。
ごみの種類別調査
ごみ拾いの後、拾ったごみは「プラスチック製の生活ごみ」「プラスチック以外の生活ごみ」「漁業ごみ」などに分別し、それぞれの割合を調査しました。その結果、プラスチック製の生活ごみが38%、漁業ごみが23%を占めているという結果に。これは私たちが日常的に消費している製品が海へどのように影響を与えているかを示す重要なデータとなりました。
言語表記別でのごみ調査
さらに、パッケージに書かれた言語から国籍を推定する「言語表記別調査」も実施され、中国語や日本語、韓国語の表記が見られたことが確認されました。これにより、どの地域からのごみが多く漂流しているのかを知る手掛かりになります。
辻本彰准教授の講義
海洋ごみの研究を専門とする辻本教授が、海洋ごみ観察ライブカメラと「海洋ごみ予報プロジェクト」について講義し、シーズンによる海洋ごみの動向について説明しました。特に秋には中国からのごみが増え、冬は朝鮮半島からのごみが多くなる傾向があると指摘され、参加者の関心を引きました。
意見交換会
活動の最後には、グループごとに意見を交換し、自らのアイディアを発表する時間も設けられました。「定期的にごみ拾いを行う」「啓発ポスターを作成する」などの具体的な行動計画が話し合われ、調査結果は今後も出雲市の環境施策や啓発活動に活用される予定です。高校生たちの熱意が、地域の環境保全に向けた大きな一歩となることを期待しています。
結論
このような活動を通じて、高校生たちはただの海ごみの処理を超え、持続可能な社会の実現に向けた責任を感じる経験を得ることができました。地域社会と高校が連携し、次世代の環境問題に立ち向かう姿勢は、出雲市の未来にとって明るい希望を感じさせます。