DICと国際文化会館が協業を結成
公益財団法人国際文化会館とDIC株式会社は、アートと建築をテーマにした新たな協業に合意したことを発表しました。この連携は、双方の理念と目標が一致した結果、実現したものです。アートと建築の力を使い、民間外交や国際文化交流の促進を目指します。
DICの理念と国際文化会館の目的
DICは、DIC川村記念美術館の優れたコレクションを生かし、都市中心部で自然とアートに溢れた体験を提供したいと考えています。一方、国際文化会館は文化交流の重要性を認識し、世界的なアートコレクションを通じて、国際的な情報発信を強化することを目指しています。
「ロスコ・ルーム」の開設
具体的な協業の内容には、DIC川村記念美術館のコレクションを国際文化会館に移転する計画が含まれています。特に、マーク・ロスコの象徴的な作品「シーグラム壁画」を含む7点が、新しく建設される国際文化会館の「ロスコ・ルーム」に展示される予定です。この展示室は、建築ユニットSANAAによって設計され、アートと建築が融合した新しい体験を提供することを目的としています。
共同運営と公益プログラムの充実
DICと国際文化会館は、「ロスコ・ルーム」を共同で運営し、さらにアートと建築を通じて民間外交や文化交流を促進する公益プログラムを充実させる取り組みを行います。また、アート・建築界の専門家の協力を得て、より一層のプログラムの質の向上を目指します。
新たな公共の場を創出
計画によれば、DICと国際文化会館は緑豊かで歴史ある空間を生かし、アートと文化が調和した新たな体験を提供していくことを目指しています。これにより、企業と公益財団の共同による文化的価値の創造が期待されます。
DICの社長からのコメント
DICの社長執行役員、池田尚志は、今回の交流の機会に感謝の意を示し、企業と社会の共生の在り方を体現することが期待されると語っています。
国際文化会館理事長の視点
国際文化会館の理事長、近藤正晃ジェームスは、国際的な対立が問題になっている中、文化交流の重要性が高まっているとし、「ロスコ・ルーム」が共感を生む平和の場所となることを願うと述べています。
マーク・ロスコの遺族からのコメント
ロスコの遺族たちもこの共同プロジェクトに期待を寄せ、「DIC川村記念美術館のコレクションは新しい地方に移されても、その価値は変わらず、多くの人々にアートの魅力を楽しんでもらえることを願う」と述べています。
SANAAの設計理念
建築ユニットSANAAは、新西館の設計にあたり「自然と建築の融合」「歴史の継承」「文化交流を生み出す空間」という3つのコンセプトの重要性を強調しています。
この協業は、アートと建築の新たなシナジーを創出し、国際文化交流の道を切り開くこととなるでしょう。