男性更年期への関心の高まり
近年、男女ともに『男性更年期』についての関心が高まっています。この傾向は、一般社団法人幸年期マチュアライフ協会と日本インフォメーション株式会社が実施した共同調査によって明らかになりました。この調査では、40代から50代の男女マチュア世代を対象に、更年期に関する認識や生活意識の違いを探ります。
調査の背景と目的
調査の主要な目的は、30歳から60代の男女が持つ更年期に対する意識の違いや、さらにはその自覚の有無が行動にどのように影響するかを明確にすることです。特に、これまであまり注目されてこなかった「男性の更年期」に焦点を当て、その認知度と関心を調査しました。
認知度と関心の現状
調査結果によると、「女性の更年期」に対する認知は女性91.3%、男性72.7%、関心はそれぞれ66.4%、43.2%となっており、男性に対する更年期への関心も増加しています。一方で、「男性の更年期」に関しては、男性70.9%、女性75.8%が認知しており、関心は男性50.3%、女性44.3%に達しました。これは、男性が更年期を自身の問題と捉え始めている証拠と言えるでしょう。
更年期の自覚と社会的理解
更年期に関する理解には、男女間で明確な違いが見られます。男性の57.7%、女性の65.6%が「男性にも更年期、または更年期障害がある」と認識しており、自覚がある層では男性73.6%、女性70.1%が自身の更年期に対して意識的です。しかし、周囲の支援についての理解はまだ限定的であり、「理解できてサポートしたい」と応える人は35%に留まっています。
社会のサポートへの要望
調査からは、社会に対するサポートを求める声も明確に現れています。「自治体や一般企業、非営利団体によるセミナー」を希望する声が約37%、職場でのセミナー実施を希望する人も33%に上っています。このことは、職場環境の改善や理解を深めるための取り組みを必要とする声が高まっていることを示しています。
今後の取り組み
幸年期マチュアライフ協会では、さらに多くの世代や性別に対して更年期への理解を深めるためのセミナーの実施や、複数のホルモンの節目に目を向けた啓発活動を展開する予定です。日常生活や職場での更年期の影響を軽減させ、「メノハラ」に関する意識啓発も進めていく計画があります。
更なる啓発活動の活性化に向けて、オリジナルカードゲーム『更年期が幸年期になるカードゲーム』などを活用し、更年期の教育や知識の普及を目指しています。このカードゲームは、2024 WOMAN’s VALUE AWARD Femtechにて特別賞を受賞した実績があります。
まとめ
社会全体で更年期を理解し、支援するための取り組みは急務です。男性更年期への認識の向上は、健康的な社会の実現に向けた第一歩となるでしょう。更年期が、「幸年期」として受け入れられる社会を目指し、今後も活動を続けていきます。