阪神甲子園球場とモリサワが手を組んだ記念すべきプロジェクト
2025年2月27日、歴史ある阪神甲子園球場で、阪神電気鉄道と株式会社モリサワによる共同プロジェクト『甲子園フォント』のお披露目式が盛大に行われました。このプロジェクトは、2024年に迎える阪神甲子園球場の開場100周年と、モリサワが発明した邦文写真植字機の発明から100周年を記念したものです。
伝統を受け継ぐ新“甲子園フォント”
『甲子園フォント』は、長年にわたり愛されてきた「甲子園文字」がデジタル形式としてリアルに表現されたものです。伝統の美しさを保ちながらも、現代の利用に即した視認性の高いデザインを志向しており、フォント制作を通じて、かつての職人技を今日に繋げる狙いがあります。
お披露目式では、阪神電気鉄道の谷本取締役とモリサワの森澤社長が登壇し、両社の強い結びつきが垣間見える瞬間がありました。特に、往年の名プレーヤー真弓明信氏が登場したメイキング動画が流された際、会場は拍手で包まれ、訪れた人々に感動を与えました。
フォントのデザインとその背景
『甲子園フォント』のデザインは、観客がより快適に視認できるようなユニバーサルデザインフォントとしての特徴があります。縦の線が太く、コントラストが高いデザインと、筆書きの雰囲気を持つ「はらい」や「打ち込み」が巧みに取り入れられています。これにより、デジタル表示においても美しさと機能性が高く評価されています。
新たな歴史の始まり
『甲子園フォント』は2025年3月4日に行われる阪神タイガース対中日ドラゴンズのオープン戦から公式に使用されます。これに合わせて、甲子園フォントに関連する商品が、2月28日から甲子園eモール及び球場内のショップにて販売が開始される予定です。
プロジェクトがスタートする背景には、甲子園文字が果たしてきた役割が大きいです。1934年に設置されたスコアボードでは、数 decades にわたり職人が手書きで文字を描くスタイルが受け継がれてきました。この伝統がデジタル時代にどのように発展するか、今後の展開に期待が寄せられます。
特別な展示とメイキング動画
お披露目式の後、メイキング動画がモリサワの公式サイトで公開され、甲子園文字の時代背景や制作秘話が詳細にわたって紹介されます。また、甲子園歴史館では『甲子園フォント』に関する特別展示も開催され、フォント制作の過程や甲子園文字の歴史を身近に感じることができる機会となります。
このように、阪神甲子園球場とモリサワの新しい試みは、旧来の伝統を生かしつつも、未来に向けた新たな一歩を踏み出したことを意味します。甲子園フォントが多くのファンに受け入れられ、新たな名勝負や名選手たちとともに、甲子園の新しい歴史を築いていくことを心から期待したいと思います。