最近の調査結果により、クラウド型電話サービス、特にクラウドPBXがテレワークの普及に伴い、企業での導入が進んでいることが分かりました。
J.D. パワーが実施した2024年度の法人向けIP電話サービスおよび直収電話サービスの顧客満足度調査によると、クラウドPBXを導入した企業の割合は9%に達しました。これは2022年と比較して、特に大規模企業において顕著な上昇を見せています。
この調査では、従業員数が1,000名以上の企業が11%、300〜999名の企業が10%、100〜299名の企業では7%と、どの規模にもおいて5ポイント以上の増加が示されています。また、企業がクラウドPBXを導入する理由として、テレワークの促進や通話料金の抑制、初期投資の軽減が指摘されており、これはテレワーク時でも固定電話業務が支障なく行えることや、無料で内線通話が可能である利点が大きな要因です。
一方、クラウドPBXの顧客満足度は前年から向上を見せています。総合満足度スコアは585ポイントで、前年比で17ポイントの改善が見られました。しかし、業界全体の平均スコア619ポイントには依然として及ばず、特にサービス品質やトラブル対応においては高い評価が必要です。調査でも、サービスの安定性や通話音質、トラブル発生時の対応時間についての不安が多くの企業によって指摘されており、改善すべき点はまだ多く存在します。
また、顧客満足度ランキングでは、
KDDIが653ポイントで第1位となり、12年連続のトップを記録しています。続いて、ソフトバンクが632ポイント、NTT西日本が619ポイントでそれに続いています。この結果は、すべての評価ファクターにおいて強いパフォーマンスを示しています。
J.D. パワーが毎年行うこの調査は、法人向けのサービス利用状況や満足度を企業の情報システム部門から収集し、従業員数100名以上の企業を対象としています。近年、テレワークの普及とともに、クラウドPBXのニーズは高まっており、今後のさらなる普及が期待されています。
調査は2024年の7月下旬から8月中旬にかけて実施され、インターネットを通じて回答が得られました。4370件の評価が集まり、同サービスを利用する企業のリアルな声が反映されています。
J.D. パワーは、消費者のインサイトに基づくマーケティングリサーチ会社として知られ、今後も顧客満足度の向上に寄与する情報を提供し続けることが期待されます。
このように、クラウドPBXの導入は今後も進むと見込まれ、企業においてはさらなる改善が求められるポイントが明らかとなりました。テレワーク環境下でも効果的に業務を行うため、このサービスについて検討を進める企業が増えることでしょう。