物価高騰が招く会社員の経費立て替え負担が増大する実態

物価高騰が招く会社員の経費立て替え負担

最近、Sansan株式会社が実施した調査によると、働く世代の会社員における立て替え経費の負担が急増しています。調査は20〜50代の980名を対象に行われ、物価高騰が経費にどのように影響しているのかが浮き彫りになりました。

立て替え経費が平均16.6%増加

調査によると、会社員が直近1か月に立て替えた物品やサービスの金額は、前年と比較して平均16.6%の増加が確認されました。これは物価が高騰する中で、経費も例外なく上昇していることを示しています。特に宿泊費、交通費、会食費の負担が顕著に増加しており、宿泊費に関しては52.0%の会社員がその影響を実感しています。

例えば、都内のビジネスホテルが1万円では泊まれなくなっている、という声が挙がっており、都市部での宿泊コストが上昇している事実も浮かび上がりました。さらに、ガソリン代や駐車料金など交通費も増加しており、日常の出費が会社員にとっての大きな負担となっています。

増大する金銭的・心理的負担

立て替え金額が増えることによって、53.5%の会社員が「困った経験がある」と回答しています。具体的には、プライベートの支出を抑える必要が生じたり、支払日までの資金確保が難しくなったといった声が寄せられました。このような状況は家計のやりくりや個人の生活に直接的に影響を与えています。

更に、立て替えに対する心理的な影響も無視できない点です。およそ40.5%が「心理的な影響があった」と回答しており、一時的な金銭的負担でつらい気持ちになったり、返金までの不安が増したという意見が多数寄せられました。この結果は、物価高騰がもたらす個々のストレスや業務モチベーションの低下を顕在化させています。

企業の対応は不十分か

一方で、調査の結果、立て替えに関する企業の方針変更を行ったところは約14.8%に過ぎないことがわかりました。この状況は、企業が従業員の負担に対してあまり対策を講じていないことを示しています。

Sansanの新たな取り組み

Sansan株式会社のBill One事業部のチーフプロダクトマーケティングマネジャー、鷹嘴成寿氏は、「この状況を打破するためには、従業員の負担を軽減する方法が必要です」とコメントしています。具体的には、クラウド経費精算サービスで従業員に法人カードを提供し、立て替え経費そのものをなくす仕組みを整えています。この方法により、経済的負担を軽減し、会社全体の生産性向上を図ることが目指されています。