脱炭素化と軽量化を両立する高機能フィラー「DIA」
GX MINERALS株式会社は、創業100年を超える林化成株式会社を親とし、愛知県岡崎市に拠点を持つ企業です。この会社は、産学官連携を通じて開発した革新的な高機能フィラー「DIA(Decarbonized and Improved Aspect Ratio Filler)」を発表しました。富山県立大学との協力により生まれたこの製品は、樹脂製品の軽量化と機能性を同時に実現し、カーボンニュートラル社会に向けた一助となることを目指しています。
高機能フィラー「DIA」の特徴
「DIA」は、従来のタルクと比べて以下のような革新性を備えています。
- - 高アスペクト比の実現: 従来品の1.7倍にあたる高アスペクト比を実現。
- - 粒子数の増加: 単位重量あたりの粒子数が大幅に増加。
- - 粗粒子ゼロ: 粉砕工程での粗粒子の含有を大幅に削減。
- - 脱炭素製造: CO₂フリーの電気とカーボンオフセットガスを利用した製造。
このように、「DIA」は生産過程から環境への配慮を徹底しています。
4つの基礎技術による革新
当社は、以下の4つの基礎技術を通じて「DIA」の開発を進めました。
1.
新製法: 脱炭素化製法による化学的・物理的改質。
2.
複合化技術: 高度な混練や分散技術の応用。
3.
鉱物科学: 原産国依存を脱却する独自評価手法。
4.
粉体工学: 革新的な粉体特性による機能の付与。
これらの技術により、「DIA」はデータに基づく信頼性を確保しています。
製品導入による効果
「DIA」の導入が実現する効果は次の通りです。
- - 軽量化効果: 自動車PP部品の軽量化(約5%)に貢献し、燃費改善に寄与。また、2030年には1百万台への導入を計画し、年100,000t-CO₂の削減効果が期待されます。
- - ガラス繊維の代替: 従来のガラス繊維製造時のCO₂排出量を大幅に削減(1.16t-CO₂/tから0.00t-CO₂/tに)。2030年には年間58,000t-CO₂の削減を予測。
- - 高機能化: 樹脂の曲げ弾性率が10-15%向上し、衝撃強度の維持及び向上が実現します。
カーボンニュートラル社会への寄与
「DIA」による樹脂の高機能化は、モノマテリアル化やリサイクル性の向上に寄与します。2026年3月には脱炭素工場の稼働を予定しており、この工場では中部電力ミライズとの協力により、CO₂排出量をゼロに抑えた製造を行います。
今後の展開
GX MINERALS株式会社は、岡崎信用金庫や中部電力ミライズなどのパートナーと協力して、製造から販売までのGX化を推進しています。「DIA」の普及を通じて、日本全体の産業競争力の向上と環境への負荷低減を目指していきます。
会社概要
- - 会社名: GX MINERALS株式会社
- - 代表者名: 代表取締役会長林宏剛、取締役社長池田隆男
- - 所在地: 愛知県岡崎市康生通南2丁目36番地 殿橋ビル1F
- - 設立: 2023年5月16日
- - 事業内容: 高機能フィラーの開発・製造・販売
- - WEBサイト: GX MINERALS
- - お問い合わせ先: Email: [email protected]