株式会社E&Dが提案する新しい業務自動化
最近、業務のデジタル化がテーマとして注目されています。そのなかで、株式会社イーアンドディー(E&D)は、生成AIとAI-OCR技術を融合させた業務用AIエージェントの開発に乗り出しています。これにより、従来の人手作業による書類の入力や画像処理を自動化し、業務効率を大幅に向上させることを目指しています。
1. 自動化の背景
企業の業務プロセスにおいて、紙書類への記入や手作業によるデータ入力が依然として行われており、業務効率化が大きな課題となっています。E&Dは25年以上にわたり、自動車産業向けの業務システム開発を行っており、AIやOCR技術を駆使したソリューションを提供しています。最近のAI技術の進化によって、「意味」を理解する能力が高まっており、E&Dはこの技術を駆使して、新たな業務用AIエージェントの構築に着手しています。
2. 業務用AIエージェントの特長
E&Dが開発している業務用AIエージェントにはいくつかの特長があります。まず、生成AIによる意味理解機能により、単なる文字認識だけでなく、項目名や文脈の「意味」を理解することが可能です。この機能を通じて、必要な情報を正確に抽出・整形することができます。
また、Excel操作や翻訳機能の自動化も魅力の一つです。生成AIを利用することで、海外取引やレポート作成の効率化が期待できます。さらに、RPA技術との連携により、既存システムへのデータ登録や管理を自動化し、ヒューマンエラーの低減や工数の削減も実現しています。これにより、業種や業態に応じたカスタマイズが可能なため、自動車業界にとどまらず、さまざまなビジネス領域での応用も視野に入れています。
3. 特定業界への展開
E&Dは今後、自動車流通業や保険業界、スマートパーキングなど、多様な業界向けにAIエージェントの開発を進めていく予定です。業界固有のノウハウを持つパートナー企業と連携し、共同で最適なソリューションを提供することで、より多くの企業が導入しやすい環境を整えます。これにより、業務のデジタル化が進むことで、多くの企業が業務効率化のメリットを享受できるようになります。
4. 中古車輸出業向けエージェントの進捗
E&Dが開発中の業務用AIエージェントは、中古車輸出業向けとして特に注目されています。車検証やコーションプレート、フレーム番号など多種多様な書類・画像データを効率よく処理するために、生成AIとAI-OCRを組み合わせることで、入力業務の大幅な自動化を図ります。特に以下の機能が搭載される予定です。
- - 車検証の英訳帳票自動生成。
- - コーションプレートやフレーム打刻の高精度読取。
- - PDFファイルの自動命名機能。
- - 輸出用ヤードでの入荷確認システム。
これらの機能により、中古車輸出業界の従来の手作業を軽減し、業務効率を大きく向上させることが期待されています。2025年1月末には正式リリース予定として推移しており、当初10社には無料で導入支援を行う計画もあります。
5. 経験豊富なE&Dの製品群
E&Dはこれまで、多数のAI・OCR製品やシステム構築の実績があります。これらを用いて、業務用AIエージェントの提供をさらに加速させていく方針です。例えば、非帳票Readerや業務向け生成AI ChatBot、ナンバープレートReaderなど、幅広い製品ラインナップを取り揃えています。これにより、各種業界ニーズに対応した柔軟なソリューションを展開できます。
6. 今後の展望
今後は、単なるデータ入力代行にとどまらず、より高機能なサポートを持つ「エージェントAI」への進化を目指しています。新たなエージェント技術やWeb・スマホアプリのAI機能を積極的に取り入れていくことで、様々な業務のデジタル化と自動化を支援していく考えです。
E&Dの業務用AIエージェント構築の取り組みは、業務効率化を阻害していた手作業を大幅に軽減し、多くの企業のDXを加速させることに大きく寄与するでしょう。