協同労働がもたらす未来への道筋:ワーカーズコープ・センター事業団の挑戦
2025年は国際協同組合年(IYC2025)であり、より良い働き方と世界を目指すための特別な年です。この重要な年に向け、ワーカーズコープ・センター事業団は全国のさまざまな団体と協力し、地域社会への貢献とともに協同労働の連携を深めています。
労働者協同組合とは
労働者協同組合(略称:ろうきょう)は、同じ理念を持つ人々が集まり、資金を出し合い、自らのビジネスを運営するための組織です。日本には多様な協同組合が存在し、労働者協同組合もその一つです。人口の約1億人が何らかの協同組合に加盟しており、国連はその活動が社会に望ましい影響を与えると期待しています。
国際協同組合年の意義
今年の国際協同組合年のテーマは、「協同組合はより良い世界を築く(Cooperatives Build a Better World)」です。このテーマのもと、ワーカーズコープ・センター事業団は地域や人々の課題解決に向けた活動を強化することを約束しています。また、国連大学で行われたキックオフイベントには300名以上が参加し、今後の方針が確認されました。
具体的な取り組み
ワーカーズコープ・センター事業団がこれまで行ってきた事例の一部を紹介します。
1. 森林組合との連携(鹿児島)
鹿児島県では、杉苗の生産者が減少する中、ワーカーズコープは地域の森林組合と連携して杉の苗づくりに取り組んでいます。初年度の苗づくりから現在に至るまで、地域の障害者支援事業や若者たちが参加し、年間3000本から5000本の苗を育成、販売しています。この活動は地域の環境保護にも寄与しています。
2. 医療生協との連携(広島・鳥取)
ワーカーズコープは、医療生協と協力してこども食堂やフードパントリーを開催しています。鳥取県では、生活困窮者への支援を目的に、医療生協と共同でクリスマス会・食料無料市・無料検診会を実施し、多世代の交流を図っています。
3. 農業協同組合との連携(福島)
福島県では使用されなくなったJAバンク跡地を利用し、「瀬上みんなのおうち学童クラブ」を立ち上げました。この取り組みは、地域の子どもたちに安全で楽しい学びの場を提供し、JAとの連携も深めています。
結び
ワーカーズコープ・センター事業団は、2025年に向けた取り組みを通じて、地域を支える協同労働の意味や重要さを広めています。私たち一人ひとりが協力し合い、持続可能な社会の実現に向けて手を携えることが、未来への道筋を照らすのです。協同労働による活動が持つ力を、今後も共に考え、実践していきましょう。