海の恵みを味わう「日本さばける塾 in 長野」
2023年12月15日、長野市の清泉女学院大学上野キャンパスで、一般社団法人海のごちそう推進機構と日本プロジェクトin長野による「日本さばける塾」が開催されました。このイベントでは、海の恵みを学びながら実際に魚をさばき、郷土料理の調理体験を通して、参加者たちが海への理解を深めました。
イベントの概要
このプログラムの主な目的は、子どもたちが海の大切さを実感し、食材への関心を高めることです。「日本さばける塾」は、親子で楽しく学べる場を提供し、次世代への海洋環境の継承を促進しています。以下の内容をもとに、参加者が体験を通じて多くのことを学びました。
1.
海についての講義
2.
魚さばきと調理実演
3.
参加者による料理体験(ブリの雑煮、アジのトマト煮作り)
4.
学びのまとめと感想発表
魚さばき体験のスタート
講師として参加したのは、マルイチ産商の惟村和志さんとクッキングコーディネーターの浜このみさん。まず、惟村さんによる講義で、「日本近海には3700種類以上の魚が生息している」との説明に、子供たちは驚愕の表情を見せました。しかし、実際に市場に流通するのは約600種類。未利用魚の存在を知った参加者たちは、海の多様性や魚の魅力に興味を抱きました。惟村さんは、海の環境問題についても触れ、「35%の魚がロスに繋がっている」と警鐘を鳴らしました。この言葉に、参加者たちは真剣に耳を傾け、海への関心が高まっていきました。
いよいよ魚さばきの実践が始まると、浜先生の指導のもと、参加者たちはアジをさばく準備を整えます。力強い声で「さあ、みんなで魚をさばこう!」と呼び掛けられると、緊張感が漂いましたが、自分の手で作り上げるという期待感が子供たちの目を輝かせます。最初は緊張していた彼らも、浜先生の手元を真似しながら進めていくうちに、徐々に楽しさを見出していきました。
おいしい発見!郷土料理の調理体験
さばいたアジとブリを使って、郷土料理の「ブリの雑煮」と「アジのトマト煮」に挑戦。この地域の伝統料理であるブリの雑煮は、地元で愛されている味の一つです。子供たちは「お雑煮にブリ?!」という驚きの声を上げ、その後、実際に料理をして味わうと、「自分で作った魚がこんなに美味しいとは思わなかった!」と歓声が上がります。
参加者からは、「普段は魚が苦手だったけど、自分で料理したものを食べてみたくなった」という声や、親たちからは「この経験が家族の食卓を明るくしてくれそう」との嬉しい感想も寄せられました。みんなの心には、海の恵みを追求する姿勢と、環境を守る大切さが刻まれたようです。
未来に繋がる海の大切さ
参加者たちにとって、このイベントはただの料理体験にとどまらず、海の恵みがどのようにして豊かな食文化に繋がるかを学ぶ貴重な機会となりました。彼らの好奇心が刺激され、次世代へと続く環境保護の意識が芽生えた瞬間だったのです。最後に、浜先生が「今日学んだことを、海や魚への感謝を込めて家庭でも生かしてみてほしい」と締めくくる場面は、参加者に深い感動をもたらしました。
このような体験が今後も続き、海と私たちの関わりがますます深まることを期待したいと思います。