元エリート商社マンが挑む、町工場の再生ドラマを追う迫真ドキュメンタリー

町工場再生の挑戦

2024年9月28日、テレビ大阪で放送されるドキュメンタリー『公募社長がやってきた〜町工場は蘇るか〜』では、元エリート商社マンの住吉望氏が町工場の再建に挑む姿を描いています。この番組は、大阪・泉大津市の創業102年を誇る田中という会社が舞台です。

田中は元々米穀商として始まり、業種を転換しながら、現在は主に車の内装材やカーペットをリサイクルした不織布を製造しています。この不織布の中でも、特に河川護岸用の製品は国内シェアの60%を占めるなど、高い技術力を持っていることで知られています。しかし、近年の公共事業の減少に伴い、田中の業績は厳しく、20年以上にわたって売り上げが低迷していました。

そんな状況を打破するため、創業家が経営を投資ファンドに譲渡し、外部からの社長公募が行われました。その結果、選ばれたのが65歳の住吉氏です。彼は三井物産で長年活躍し、海外での経験を積み、薬局チェーンでの経営再建も手掛けた実力者です。

住吉氏は社長に就任すると、まずは在庫管理の見直しと生産方式の改革に乗り出しました。現場の社員たちにとっては、彼の手法が厳しく感じられ、戸惑いも隠せない様子。しかし、住吉氏は現場とのコミュニケーションを大切にし、社員たちとの信頼関係を築こうと奮闘しています。

さらに、彼は新たな製品「タナクロス」の開発にも着手しました。タナクロスは炭素繊維であり、その特性からトンネルの補修や補強に利用される可能性があります。しかし、競争が激しい中、発売から一か月が経っても売上はゼロのままでした。住吉氏は、この状況を打破するために海外市場への展開を計画します。

彼は商社マン時代の人脈を駆使し、カンボジアを舞台に販路拡大を目指します。カンボジアでは洪水の影響で土手整備が進んでおらず、田中の製品が解決策の一つとなるチャンスがあるのです。住吉氏は地道な努力を重ね、やがて国の高官に自社製品をアピールする機会を得ます。

果たして、住吉氏がタナクロスを通じて商機を生み出し、社員たちをまとめ上げることができるのか。町工場の未来はどうなるのか、ドキュメンタリーでその行方を見届けましょう。