企業における健康診断後のフォロー体制に潜む課題と提言

最近、企業の人事担当者を対象に実施された調査によると、健康診断を受けた従業員のフォロー体制に多くの課題があることが明らかになりました。この調査は、兵庫県尼崎市に本社を置く心幸ウェルネス株式会社が行ったもので、全111名の人事・健康経営推進担当者が対象です。

健康診断後のフォロー方法

調査結果では、健康診断の結果において要再検査や要精密検査の指摘を受けた従業員へのフォローとして、約65.8％が「産業医との面談の案内がある」と回答しています。また56.8％は「人事担当者から直接声かけがある」とし、49.5％は「再検査の促しに関する書面送付がある」とありました。このような対応は非常に重要ですが、実際には多くの担当者がその実行に苦慮していることも事実です。

声かけの課題

特に、健康診断後の有所見者への声かけについては、約68.5％の人事担当者が「話しづらさや気まずさがある」と感じており、67.4％は「プライバシーへの配慮が難しい」との意見を寄せています。要は、従業員の健康情報をどう取り扱うか、そしてそれに対するフォローがいかに重要か、そして今後の課題であるかを示しています。多くの担当者がプライバシーの問題を認識しつつ、専門的なアドバイスが不足しているという側面も浮き彫りになりました。

データ管理の傾向

健康診断データの管理方法については、65.8％の企業が「社内システムに入力して管理」と回答しています。次いで47.7％が「産業医と連携したシステムで管理」とし、42.3％は「紙ベースで保管」しています。これにより、企業がどのように従業員の健康情報を管理しているかがうかがえますが、実際の活用やフォローには課題が残ります。

健康経営の推進課題

健康経営を進める上での主要な課題としては、63.1％が「健康情報の取り扱いが難しい」と回答しています。この結果は、従業員に対して効果的にフォローを行うことが難しい環境が整っていないことを示します。さらに、産業医との連携についても「面談時間の確保が難しい」という意見が90.0％と高かったのが目を引きます。

オンラインでの健康相談サービスのニーズ

一方で、「産業医がオンラインで従業員の健康相談に直接対応するサービス」に対して、95.5％もの担当者が「必要」と回答しています。その理由として、69.8％が「従業員のプライバシーに配慮できるから」としており、専門的なフォローを受けられることが期待されるという意見が多くを占めました。

まとめ

このように、健康診断後のフォロー体制には多くの課題が存在し、特にプライバシーへの配慮や声かけの難しさが浮かび上がっています。オンラインでの健康相談サービスの導入は、これらの課題を解決する一助となる可能性が高く、企業における健康経営の実現に向けて新たなアプローチが求められています。

本調査の詳細を知りたい方は、心幸ウェルネス株式会社のウェブサイトをご覧ください。