JOT(Japanese Online Test)の誕生と背景
一般社団法人グローバル共生社会推進機構(GISPA)が開発した「JOT(Japanese Online Test)」は、日本語能力を測るための新たなオンライン試験です。法務省からも日本語教育の基準に則ったA1およびA2相当の試験として認定されており、2026年以降の年間受験者数は約6万人を目指しています。
1. 日本語試験JOTとは?
JOTは、従来の試験システムには多くの課題がありました。これまでの日本語試験では、年に2回のみの受験機会や不正受験の可能性、国際基準と整合性が取れていないことが問題視されてきました。JOTは、これらの問題を解決するべく、24時間受験可能な完全オンライン試験(CBT)として開発され、顔認証を利用して不正な受験を防ぎます。さらに、国際的な評価基準であるCEFRおよびIRT分析を取り入れており、JLPTの弱点を補完する形で機能します。
2. 法務省の認定と今後の予定
現在、JOTは2024年5月にA2レベルとして認定されており、2025年9月にはA1レベルも追加認定予定です。このように、段階的に国際基準に基づく日本語能力の評価が実施されることになります。
3. なぜ今、オンライン日本語試験が必要なのか?
日本は少子化や労働力不足といった問題に直面しており、外国人材の受け入れが急務とされています。しかし、従来の試験システムはそのニーズに十分に応えていませんでした。この背景により、従来の試験よりも多くの受験機会を提供し、正確で公平な評価が求められています。
4. 受検会場の拡大計画
GISPAは2026年から2027年にかけて、国内20会場、海外14カ国に20会場を新設し、将来的には国内外の受検会場を70ヶ所に増やす計画を立てています。これにより、外国人在留者や留学生がより簡単に日本語を学ぶための道を提供します。
5. 今後の展開
GISPAは今後、AI会話テストを導入することで、試験の質を一層高める予定です。また、進学・就職支援プラットフォームである「Schoolbank」も稼働させることで、受験者が日本での生活にスムーズに移行できるようサポートします。
6. 代表理事の言葉
代表理事の中野耕治氏は、「JOTは、日本語能力を公平かつ正確に評価する方法として誕生しました。世界中の人々が日本で学び、働きたいと思う環境を整えることが我々の使命です」と述べています。JOTは国際的な通用性を持つ試験として、今後ますますの普及が期待されます。これからも多くの外国人が日本社会に溶け込むための重要なステップとして、掲げていくことでしょう。