アトツギベンチャーの新しい時代が到来
一般社団法人ベンチャー型事業承継(以下、VBC)は、中小企業のアトツギ支援を目的として設立された団体です。これまでに多くのアトツギが持つ潜在的な価値を引き出し、社会に寄与する活動を行ってきました。そして今回は、新たに「アトツギベンチャー」という商標を登録し、これを基盤にした指標策定プロジェクトを立ち上げることとなりました。
アトツギとは何か?
アトツギとは、家業を継ぎながらも新しい価値を創出していく後継者のことを指します。近年、中小企業の存続が危うくなる中、アトツギたちは新たな事業展開や経営革新に挑戦し、その成長を促している重要な存在です。しかし、社会全体における理解はまだ十分とは言えず、その成果を適切に評価できていない現状があります。アトツギが作る新たな価値を正確に伝え、理解を深めることは急務です。
なぜ「アトツギベンチャー」なのか?
VBCが商標登録した「アトツギベンチャー」は、アトツギの意味合いに加え、革新的で挑戦的な精神を持った企業を表現しています。この新たな言葉を通じて、中小企業承継の新しいスタンダードを築き、その潮流に乗ることを目指しています。アトツギベンチャーの明確な定義と指標が作成されることで、これから企業を承継しようとする若い世代に具体的な目標が示されることになるでしょう。
プロジェクトの進行と今後の予定
「アトツギベンチャー」の確立に向けた指標策定プロジェクトは、以下のようなスケジュールで進行します。
1. 1月中旬 - 社団内部による一次案作成
2. 1月下旬 - ガイドライン策定委員会による第1回ワーキンググループの開催
3. 2月中旬 - 第2回ワーキンググループの開催
4. 3月上旬 - 最終的なガイドラインの完成と発表
策定委員会には、若手アトツギ経営者やアトツギベンチャー経営者、大学教授、金融機関の専門家、ウェルビーイングの専門家など、さまざまな分野からの専門家が参加します。多様な視点を取り入れた議論を通じて、アトツギベンチャーという新たな概念の成功を目指します。
VBCのビジョン
VBCは設立当初から、「挑戦するアトツギが日本経済に地殻変動を起こすエコシステムを実現する」というビジョンを掲げており、その一環としてアトツギベンチャーの商標登録に至りました。同団体は、全国の中小企業の承継予定者や後継者を対象にしたオンラインコミュニティ『ファースト』を運営するなど、アトツギたちの支援を惜しみません。これからも、中小企業庁や金融機関、大学、行政との協力を深めていき、さらに多くの後継者支援のための取り組みを強化し、次世代の企業経営者を育成していく所存です。
アトツギベンチャーの誕生は、中小企業に新たな道を示し、持続可能な経営の実現に繋がると期待されます。その成果を見守りつつ、さらなる発展を期待しています。