成田で外国人技能実習生を育成する新しい試み「成田・ホスピタリティ・アカデミー」

成田・ホスピタリティ・アカデミーの開校

千葉県成田市に新たに設立された「成田・ホスピタリティ・アカデミー」は、外国人技能実習生の教育に特化した専門施設です。このアカデミーは、ホスピタリティ業界の人材育成を目指し、特に日本の宿泊業への人材供給を図ります。

技能実習制度の背景

日本の技能実習制度は1993年にスタートし、2022年度末時点では国内に324,940人の技能実習生が在籍しています。この制度は、外国人が日本で一定の技術や知識を身に付けるためのものであり、87種類の職種が対象となっています。特に宿泊業は2020年から新たに認定され、宿泊技能実習評価試験を整備しており、実習期間は最大3年間に延長されています。

アカデミー設立の背景

現在、外国人技能実習生の受け入れ先は製造業が中心で、ホスピタリティ業界への人材の流入は少ない状態です。新型コロナウイルスの影響で観光業は厳しい状況にありましたが、観光需要の回復が期待されています。それに伴い、外国人材を有効に活用するための受け入れ体制の整備が急務となっています。このような背景から、「成田・ホスピタリティ・アカデミー」の設立が実現しました。

研修プログラムの内容

「成田・ホスピタリティ・アカデミー」では、マイステイズ・ホテル・グループの監修のもと、ホスピタリティ業界における専門的な研修プログラムを提供します。内容は、法定の日本語教育に加え、日本特有の「おもてなし」の心や文化を学ぶことに重点が置かれており、実際のホテル業務に即した実践的な内容となっています。受講期間は200時間にわたり、通常の法的講習に比べ長く設定されています。

研修環境と生活サポート

教室内には、実際のホテル客室を再現したモックアップルームが設置され、現場に近い環境での実習が可能です。受講者は、ベッドメイキングや浴室清掃などの実践を通じて、実際の業務に必要なスキルを身につけます。

居住施設についても揃っており、快適な個室が用意されています。この個室には冷暖房、ミニ冷蔵庫、Wi-Fiなど基本的な設備が整い、プライバシーを守りつつ快適な生活を送ることができます。また、食事はマイステイズ・ホテル・グループが提供するホテルメイドのお弁当が用意され、健康管理もサポートされています。

実習受入先と今後の展開

研修を終えた技能実習生は、日本全国のマイステイズ・ホテル・グループにおいて活動する機会が与えられます。このグループは、地域に根差した宿泊施設を140以上展開しており、多様な業態の中で実習生がスキルを活かせる環境が整っています。

さらに将来的には、宿泊業以外にもホスピタリティ業界に必要なスキルを身に付けられるプログラムを拡充していく予定です。第二期生としては、フィリピン人技能実習生の受け入れも検討されています。