橋梁点検を変える新たな技術、TRASSの登場
2025年6月、TRASS株式会社が橋梁点検に特化したインフラ点検AI SaaS『TRASS』のローンチを発表しました。このサービスは、累計9現場での実証実験を経て、点検準備から調書作成に至るまでの業務プロセスの効率化を実現しています。
インフラ点検の現状と課題
2014年の道路法改正以来、インフラ点検業務の効率化は急務とされています。特に橋梁の定期点検においては、全体工数の約40%が調書作成に消費され、手作業が多い業務構造によって技術者の負担が増加し、事業の収益性が低下しています。煩雑な写真整理や野帳の転記作業は、業務が部分最適にとどまり、進歩を阻んでいます。
TRASSはこの課題を解決する「現場のパワースーツ」として、点検業務を効率化し、ヒューマンエラーを防ぐ道具を提供します。
TRASSの機能と利点
このインフラ点検AI SaaSは、点検時に入力されるさまざまな情報を一手に管理。現場で集めたデータを基に損傷図や調書の作成をサポートし、業務フローを大幅に変えることなく使用可能です。タブレットやPCから簡単に入力でき、技術者は直感的に操作が可能。さらに、点検情報や写真がひも付けられた状態で損傷図を作成できるため、内業の負担を軽減します。
TRASSは、現場での実務を重視し、AIがデータ整理や補助を行う形を取ることで、技術者の意思決定をサポートします。今後は、点検記録の統合管理や自動生成にとどまらず、さらなる機能拡張を計画しています。
実証実験の成果
TRASSのサービスは、2025年6月から12月の半年間、9件の橋梁点検現場で実証実験を行い、以下のような結果を得ました。
- 現場作業削減:3%
- 内業削減(損傷図・調書作成、照査):70%
- 点検漏れ・成果品差し戻し:0件
- 粗利改善:+0.5~2万円/橋
- 現場作業削減:5%
- 内業削減:68%
- 点検漏れ・成果品差し戻し:0件
- 粗利改善:+20~30万円/橋
これらの結果は、TRASSが業務効率化だけでなく、持続可能な経営改善にも寄与していることを証明します。
資金調達の背景
サービスの正式ローンチに合わせて、TRASSはデライト・ベンチャーズを引受先として資金調達を行いました。この資金は、プロダクト開発の加速や機能強化、カスタマーサクセスの強化、さらには事業拡大のマーケティング活動に利用される予定です。
投資家と代表者のコメント
デライト・ベンチャーズの南場智子氏は、TRASSが点検業務を改善するにあたり、無理をせずに負担の大きい部分から着実に進めている点を高く評価しています。また、立花優斗氏は、TRASSが橋梁点検にフォーカスし、実務に即した効果を実証していることに期待を寄せています。
TRASSの代表である越智健心氏は、実証実験に参加した建設コンサルタントや点検業者に感謝しつつ、今後もインフラ点検業務の生産性と品質向上を目指し続けることを宣言しています。
会社概要
- - 社名: TRASS株式会社
- - 所在地: 大阪府東大阪市
- - 設立: 2025年6月
- - 事業内容: インフラ点検AI SaaS『TRASS』の開発・運営
- - ウェブサイト: TRASS公式ページ
新たなインフラ点検のスタンダードを構築するTRASSの取り組みに、今後も注目が集まります。「社会課題を解決する仲間」を求めているTRASSでは、テクノロジーを用いてインフラの未来を変える志を共有する仲間を募集中です。