成人の身体活動実態を探る新しい調査結果の発表
2024年11月、笹川スポーツ財団と明治安田厚生事業団が共同で実施した全国調査の報告書が発表されました。この調査は、活動量計を用いて日本国内の身体活動の実態を把握し、成人における中高強度の身体活動時間を測定したものです。
調査結果によると、成人の中高強度の身体活動時間は1日あたり56.8分であり、男女間にはほぼ差が見られませんでした。具体的には、男性は57.2分、女性は56.0分という結果が示されています。
また、低強度の身体活動についても分析が行われ、男性は1日295分(約5.1時間)に対し、女性は377分(約6.3時間)となり、女性の方が約80分長い結果が出ました。このことから、女性は日常生活において、より多くの時間を身体を動かしている傾向が強いことが窺えます。
座位行動時間と歩数の傾向
座位行動時間に関しては、男性が9.0時間(542分)、女性が8.7時間(523.8分)となり、男性が約20分長いというデータが示されました。また、成人の歩数では、男性が7,368歩、女性が6,693歩と、男性が670歩多いことがわかりました。
健康づくりには身体活動の促進が必須
この調査は、厚生労働省が2023年に発表した「健康づくりのための新しい推奨身体活動量」に基づいており、最終的には国民の身体活動の向上に貢献することを目指しています。推奨される身体活動量の達成率は全体で47.9%で、男女や年齢層による違いが明らかとなっています。
特に、運動やスポーツを積極的に実施している割合は、全体の60.7%であり、非実施者は40.5%という結果が示され、この差は属性によっても変わることがわかりました。これにより、健康増進プログラムや政策の形成に必要なデータを提供することが期待されています。
今後の調査に期待
調査を担当した笹川スポーツ財団および明治安田厚生事業団は、今後もこの調査を継続し、2025年度にさらなる分析を行う予定です。このような全国規模での調査は、日本の身体活動に関する実態を明らかにするだけでなく、国民の健康促進にも寄与することが期待されます。
皆さんもぜひ、自分自身の身体活動を見直し、健康に意識を向けるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。身体を動かすことは、心身の健康を維持するために欠かせない要素です。