高齢者向け情報発信を支援する「高齢者ICT支援アプリ」
TOPPANホールディングスの子会社、TOPPAN株式会社が2024年9月13日より提供を開始する「高齢者ICT支援アプリ」は、急速に進展する高齢化に伴って必要とされる情報発信の新たな手段です。このアプリは、自治体や「通いの場」の運営者が、高齢者向けの情報を効率的に管理・発信できるように設計されています。
背景
日本は急速に高齢化が進んでおり、2040年には高齢者が全体の約35%を占めると予想されています。この状況下で、支援する側の労働力が不足することが考えられ、ICT技術の活用が必要不可欠となります。しかしながら、高齢者自身がスマートフォンを使いこなすには、やや難しい面もあるため、使いやすいインターフェースが求められています。そこでTOPPANは、高齢者が扱いやすいように設計されたアプリを開発しました。
アプリの特長
簡単な操作性
本アプリは、視覚的にわかりやすい大きな文字や簡単な操作を可能にするインターフェースが特徴です。特に、高齢者に向けて個別に発行されるQRコードを利用してログインができるため、文字入力が不要で簡単にアプリを利用し始めることができます。
活動データの収集
アプリでは、どの情報を誰が見なかったかを利用者IDごとに記録することができ、情報伝達の漏れを防ぐことができます。また、保健事業への出欠記録や参加者の歩数を取得することで、自治体の施策の効果を測定するデータとしても活用可能です。
地域の運営者による情報発信
「通いの場」とは、高齢者が健康維持やフレイル予防のために集う場所を指しますが、地域の運営者が直接その情報を発信できる仕組みが整っています。これにより、運営者は参加者へのイベント情報を直接知らせることができるようになります。
カスタマイズ可能なコンテンツ
自治体ごとにアプリのトップ画面をカスタマイズでき、別のアプリへのリンクや動画などのオリジナルコンテンツも表示できます。これにより、地域住民の関心に基づいた情報提供が実現します。
価格
このアプリの提供には、初期費用が100,000円(税抜)かかり、アプリ利用料は360,000円(税抜)からとなっています。契約するID数によって料金は変動します。
今後の展望
TOPPANは、2028年までに100以上の自治体でこのアプリを採用することを目指しています。また、住民の興味に応じた情報発信を実現するポータルサービス「クラシラセル®」や、住民要望の対応を一元管理する「PosRe®」とともに連携し、行政サービスの改善と住民満足度の向上に貢献していく方針です。
このように、TOPPANの「高齢者ICT支援アプリ」は、情報の受発信を簡単にし、高齢者の生活を支える新たなツールとして期待されています。