北日本製薬と広州医薬集団、国際展開での合意
2023年10月、北日本製薬株式会社(本社:富山県中新川郡上市町)は、中国の製薬巨人、広州医薬集団有限公司と国際展開に向けた重要な合意文書を締結しました。
合弁会社設立
新たに成立した合弁会社「広薬国際漢和至聖薬業有限公司」は、マカオに拠点を置くこととなり、両社の戦略的なビジョンを共有し、協力して漢方薬の市場を開拓していきます。
北日本製薬の代表取締役である西村一郎氏と、広州医薬集団の黎洪総経理が合意文書に署名し、正式に提携が発表されました。この合意は、両社が持つ資源を融合させ、漢方薬業界の国際化を促進するものとなります。
パートナーシップの背景
広州医薬集団は、2025年版フォーチュングローバル500で第459位にランクインしている中国で最大の漢方薬製造企業であり、国際的な信頼性と技術力を誇ります。一方、北日本製薬は1943年に設立され、漢方薬の製造・販売を担ってきた伝統のある企業です。
2022年1月に施行された「中薬薬事活動及び中成薬登録法」により、日本で製造された漢方薬が「マカオ漢方」として認められるようになり、この法整備が保有する潜在能力を生かす絶好の機会を与えています。
合意の意義
合意文書の締結式において、広州医薬集団の総経理である陳傑輝氏は、「この合弁会社は、漢方薬業界の国際協力の強化を目的としており、長期的で安定したパートナーシップを築くものです。」と述べました。さらに、「北日本製薬の高水準の技術とブランド力をマカオや大湾区に持ち込み、漢方薬産業の品質向上を図ることに努めます。」と強調しました。
北日本製薬の西村代表は「合弁企業の設立は、私たちの製造能力を高めるだけでなく、マカオおよび大湾区市場への具体的な準備を進める上でも極めて重要である。」と、今後の展開に期待を寄せました。
今後の展望
このパートナーシップにはビジネス上の共同事業以上の意義があり、両社の戦略的な計画に基づく国際展開が期待されています。中国の市場と日本の先進的な技術を結ぶことで、漢方薬・中国伝統医薬の国際化を促進し、業界に新たな風を吹き込むことを目指しています。
合意文書締結式には、広州市の政府高官や広州の各企業幹部が出席し、重要な歴史的瞬間を見守りました。これにより、国際的な展開が加速することが期待されています。今後の両社の協力により、漢方薬市場が新たな発展を遂げることが注目されます。