グリーンコープの新たな社内制度
一般社団法人グリーンコープ共同体が提供する新しい社内制度が始まりました。これは、職員が主に米の生産者と協力しながら、農業に従事するというユニークな制度です。この取り組みは、西日本を中心とした16の生協で構成されるグリーンコープによって実現されました。
制度導入の背景
近年、農業の現場では深刻な高齢化と後継者不足が進行しています。農林水産省の調査によると、2000年には240万人いた農業従事者が、2023年には116万4000人と半減しました。特に、49歳以下の農業従事者は全体の約1割にとどまる一方で、65歳以上は全体の約7割を占め、平均年齢は68.7歳に達しています。このような背景から、農業現場の人材確保が急務となっています。
また、都市部で生活する多くの人々が「自然に触れたい」「農業に関わりたい」といった希望を持ちながらも、日常生活や仕事のために農業から離れています。グリーンコープの新制度は、こうしたニーズに応えるものとして、職員が農業現場での支援を行える道を開くものです。
新制度の具体的な内容
新制度のもとで、グリーンコープの職員は通常業務を行いつつ、繁忙期には農作業のサポートに従事します。これにより、生産者とともに農業現場で活躍できる環境が整います。実際に、入職8年目の職員が初の利用者として福岡県遠賀郡岡垣町の「赤とんぼ米」生産者のもとで米づくりに挑戦しています。
「赤とんぼ米」は、化学合成農薬を極力使用せずに栽培された、安全でおいしいお米であり、自然の豊かさを感じるための一助となることを目指しています。この若手職員はすでに草刈りや法面の修復作業に取り組んでおり、今後も継続的に米の生産に関わっていく予定です。
今後の展望
グリーンコープは、農業現場のニーズに応じて、今後もさらなる職員の派遣を検討していく方針です。この取り組みことが、生産者の支援だけでなく、職員自身の成長や地域活性化にもつながることが期待されています。
グリーンコープ共同体について
一般社団法人グリーンコープ共同体は、福岡市博多区に本部を置き、2018年に設立されました。生活協同組合連合会、社会福祉法人、労働協同組合など、多数の団体と連携し、地域に根ざした活動を展開しています。「安心・安全な食べ物を子どもたちに」という理念のもと、地域の豊かさを追求し続けています。
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