練馬区立美術館の中高生向け美術講座が始まる
東京・練馬区に位置する練馬区立美術館は、2025年6月から2026年1月の間に、中高生を対象にした連続講義「中高生の美術ゼミ」を開催することを発表しました。このゼミは、美術に興味を持つ若者向けに設計されており、同美術館は、2029年度の開館を目指してのリニューアルに向けて、教育普及事業の一環として今回の講義を行うことになりました。これにより、開館から40年目を迎える美術館が、初めて中高生と特に向き合った事業を実施することになります。
美術ゼミの目的と特徴
「中高生の美術ゼミ」では、アートの専門家たちが講師として参加し、さまざまな視点から「美術」について学ぶ機会を提供します。美術は一見抽象的で難しい文脈を持つことがありますが、実際は我々の生活の身近なところに存在し、多様な職業がその背後にあります。アーティストや学芸員、評論家など、多くの職業が美術の世界を豊かにしています。
このゼミを通じて参加者は、専門家の講義を受けることで、美術の世界を広く、そして深く理解することができます。全10回の講義が予定されており、通年コースとして運営されます。通年コースに参加し、全ての講義に出席した受講生には修了証が授与される特典もあります。
講義のスケジュール
講義は以下の日程で進行される予定です(変更の可能性あり):
1.
2025年6月14日(土) 14:00~15:30「美術館学芸員の仕事」 - 池田芙美氏(サントリー美術館副学芸部長)+小野寛子(練馬区立美術館学芸員)
2.
7月26日(土)「陶芸家の仕事」 - 高橋奈己氏(陶芸家)
3.
8月9日(土)「ギャラリーの仕事」 - 小山登美夫氏(小山登美夫ギャラリー代表)
4.
8月23日(土)「体から、はみ出すということ」 - 若羽幸平(舞踏家)
5.
9月23日(火・祝)「パブリックアートについて考えよう」 - 椎原伸博氏(美学者、実践女子大学教授)
6.
10月4日(土)「アートを見る・聞く・伝える」 - 永田晶子氏(美術ジャーナリスト)
7.
11月1日(土) - 小沢剛氏(美術作家)
8.
12月13日(土) - 椹木野衣(美術批評家、多摩美術大学教授)
9.
12月27日(土)「美術の国際交流」(仮) - 伊東正伸(練馬区立美術館館長)
10.
2026年1月17日(土) - 菊地敦己氏(アートディレクター)
参加申し込みについて
応募は、通年コース、または興味のある講義ごとの参加が可能です。通年コースの定員は30名で、講義の全内容をまとめた『中高生の美術ゼミ:全講義録』(仮称)がプレゼントされます。通年コースの費用は5,000円で、各講義に個別に参加する場合は1回あたり700円の費用がかかります。
参加資格は13歳から18歳までで、特に中学校1年生は12歳でも応募可能です。また、日本語での日常会話が可能であり、基本的なパソコン操作ができることが求められます。
申込期間は2025年の5月1日から5月30日まで、募集が定員に達した場合には抽選が行われます。また、講義開催の約1ヶ月前には追加募集中の講義についても案内がされます。
終わりに
この新しい取り組みを通じて、若い世代が美術に興味を深め、自らの見識を高める機会が増えると期待されています。美術に触れることで、彼らの感性や思考が育まれることを願います。