次世代メモリ用ガラス薄膜
2025-09-04 13:35:06

次世代メモリ用ガラス薄膜の研究成果を国際会議で発表

次世代メモリ用ガラス薄膜の驚くべき特性



日本電気硝子株式会社が東北大学と手を組み、次世代メモリ用ガラス薄膜を開発。その成果が2025年9月にフランスで開催される「European Phase-Change and Ovonic Symposium(EPCOS 2025)」にて発表されます。この技術は、AI社会やデータセンターにおけるデータ処理の効率化に向けた大きな一歩です。

開発の背景



現代では、AIやIoTの急速な進展がもたらす膨大なデータ量がPCやスマートフォン、そしてデータセンターでの処理能力向上を求めています。また、エネルギー消費の抑制も重要な課題となっております。このようなニーズに応えるために、新しいメモリ技術である「次世代メモリ」が期待されています。次世代メモリは、厚さがナノメートル単位の薄膜を用いたメモリセルが3次元に配置され、より高い容量と性能を実現します。

しかし、技術の複雑さから誤動作や性能低下が懸念されています。そこで重要な役割を果たすのが「スイッチ素子層」です。この層は、電流の適切な経路を確保し、不必要な動作を防ぐことで、メモリの信頼性を高めます。日本電気硝子株式会社と東北大学はこのスイッチ素子層に適したガラス材料を開発しました。

ガラス薄膜の特性



今回発表される薄膜は、その特性において非常に優れた性能を示しています。具体的には、以下の点に注目が集まっています。
1. 高い選択性:オンとオフの抵抗差が大きく、無用な電流を遮断する能力があります。これにより、大容量メモリが安定して動作することが可能です。
2. 低消費電力化:従来よりも低い電圧でスイッチング動作が可能で、エネルギー効率が向上します。
3. 環境への配慮:従来の材料に使用されていたヒ素を排除したことで、より人や環境に優しい設計が実現されています。

これらの特性は、次世代メモリの進化において重要な意味を持つでしょう。

発表の概要



EPCOS 2025は、半導体材料に関する国際的な会議であり、世界中の研究者や企業が集結します。日本電気硝子株式会社の発表は日程が2025年9月25日(木)16:45~17:00(フランス現地時間)に予定されており、発表タイトルは「High-Selectivity Ge-Te-Based Ovonic Threshold Switching Material for Selectors」です。公式サイト(EPCOS 2025)でも詳細情報が紹介されています。

国際的評価



この研究成果をまとめた論文は、英国の著名な科学誌「Scientific Reports」に2025年7月1日付で発表され、1,000件以上のアクセスを記録しています。論文のタイトルは「Arsenic-free Ge-Te-based ovonic threshold switching material with reduced leakage current」であり、研究コミュニティからも高い関心が寄せられています。この成果は、AIやデータセンターなどの現代社会における技術やニーズに完全に合致したものです。

日本電気硝子株式会社は、特殊ガラスのリーダー企業として、70年以上にわたり、様々な領域で革新を続けています。未来のデータ社会を支える技術の一環として、次世代メモリ用ガラス薄膜は注目される存在となるでしょう。


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会社情報

会社名
日本電気硝子株式会社
住所
滋賀県大津市晴嵐二丁目7番1号
電話番号
077-537-1700

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