災害時に洗濯を守る新システム「オーシャンループシステム」の誕生
ファミリーレンタリース株式会社は、災害発生時にも洗濯ができる環境を提供するために、洗濯水循環システム「オーシャンループシステム」(以下、OLS)の特許を取得しました。この革新的な技術は、災害時の衛生環境の維持に貢献することを目的としています。
1. 災害時の洗濯の重要性
能登半島地震での経験
洗濯は日常生活の一部であり、特に災害時には衛生管理が重要です。能登半島地震において、ファミリーレンタリースは洗濯ボランティアに参加し、150世帯の洗濯を支援する経験から、災害時に洗濯ができないことが被災者の生活に与える影響を痛感しました。水が供給されない状況では、たとえランドリー設備があっても意味がなく、洗濯を行うための新しいアプローチが求められていました。
2. オーシャンループシステムの技術
2.1 特許の概要
OLSは、独自に開発した洗濯水を循環再利用し、適切な水質環境を維持するシステムです。特許番号「特許第7854757号」で、洗濯排水を濾過・殺菌し、再利用することにより、持続可能な洗濯環境の構築を目指しています。
2.2 重珊水の使用
このシステムでは、洗剤と共同開発した「重珊水」(じゅうさんすい)を使用しています。重珊水は、海や環境に配慮した、重曹(炭酸水素ナトリウム)を基にした弱アルカリ性の洗濯水で、一般的な汚れに効果的です。洗濯排水は、バックフィルター、オゾン、UV蛍光灯、ゼオライト、活性炭、珊瑚砂、ヒーターを駆使して濾過・殺菌され、再び洗濯に使われます。これにより、水質を常時管理し、安全に利用できるようになっています。
3. 管理システムと運用モデル
OLSでは、水質管理システムを導入し、pH、濁度、色度、水温をリアルタイムで監視。また、システムは平時に地域のランドリーとして機能し、災害時には自立できる洗濯環境を提供します。オペレーションは効率的で、1日に最大24トンの水を循環利用可能で、洗濯1回に必要な水量も抑えられています。例えば、1日約240回の洗濯が可能と想定されています。
4. 官民連携の未来
OLSは、自治体との官民連携を通じて、広く展開されることを目指しています。避難所や公共施設に設置が想定されており、平時は地域貢献として利用され、災害時に被災者に提供される予定です。ファミリーレンタリースは、全国の自治体と連携し、洗濯に関するニーズを解決するための新たなインフラを提供していきます。
5. 今後の展望
今後は、実証実験を進め、実用化に向けた提案を行います。洗濯は生活に欠かせないインフラであり、その維持は生活の尊厳を守ることにも繋がります。特に災害時においては、水資源と環境への配慮が不可欠です。ファミリーレンタリースは、洗濯の概念を超えた循環型インフラの構築を目指し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
この新しい技術により、災害時にも洗濯を止めない環境が整備され、誰もが安心して生活を続けられる未来が期待されます。