アンドルー・ライセットが描くホームズの真実
2024年10月16日、株式会社河出書房新社から『シャーロック・ホームズの世界大図鑑』がついに日本で発売される。この作品は、世界的に評価されている「ドイル伝」の著者アンドルー・ライセットが手がけた、シャーロック・ホームズを深く掘り下げた研究図鑑である。
ホームズとロンドンの関係
本書では、1890年に初めて発表されたホームズシリーズの第一作『四つの署名』の背景を、彼の住んでいたロンドンに焦点を当てながら豊富なヴィジュアルと共に解説している。この街の文化や生活様式はもちろん、その当時の政治・経済状況も詳細に描かれている。たとえば、当時のロンドンの雰囲気、街角の様子、さらにはドイル自身の生活もリサーチされており、読む者をその時代へと引き込む力を持っている。
科学と技術の進展
シャーロック・ホームズシリーズは、単なるミステリーに留まらず、当時急速に進展していた科学技術にも大きく影響を受けた。その点についても本書は詳しく説明しており、フロイトやアインシュタインなどの現代の大思想家たちの発見が、どのようにホームズの物語に影響を与えたのかを探求している。加えて、医師としてドイルが残した文献資料を通して、彼のおもしろい人間性にも迫る。
ホームズの文化的影響
130年以上の歴史を持つシャーロック・ホームズながら、彼の人物像は時代を超えて人々を魅了し続けている。特に本書では、様々な舞台、映画、TVドラマで創作されてきたホームズの物語を特集しており、各作品の制作スタッフや俳優の背景、そして彼らとドイルとの交流エピソードも紹介される。さらに、年代物のリーフレットやイラスト作品が多数収録されており、シャーロッキアンにとっても芸術的鑑賞を楽しめる内容となっている。
特集されるトピック
また、本書は探偵という職業やホームズの芸術、スポーツへの関心、さらには執筆を続ける多くのファンや作家によるファン・フィクションについても特集が組まれている。新たな視点での深掘りは、ホームズというキャラクターの豊かさを感じさせ、読者に新たな知識を提供する。
特典情報
本書の購入者には、訳者の日暮雅通氏による詳細な解説ペーパーが初回出荷特典として付属する。この解説はシャーロック・ホームズ関連の書籍を数多く翻訳してきた著者によるもので、彼のホームズへの情熱が詰まった内容が期待される。また、日本を代表するシャーロッキアン・東山あかねさんの特別寄稿もあり、ファンにとって嬉しい一冊を彩る。
著者紹介
アンドルー・ライセットは1948年にイギリスで生まれ、優れた伝記作家として知られる。オックスフォード大学を卒業後、『タイムズ』や『サンデー・タイムズ』の特派員を務めた実績も持ち、シャーロック・ホームズの創始者であるアーサー・コナン・ドイルについての優れた伝記を出版している。
訳者の日暮雅通氏は1954年生まれで、広範なジャンルの翻訳に定評があり、特にミステリーやSFなどで注目を浴びている。著作『シャーロック・ホームズ・バイブル』は日本推理作家協会賞にも輝いている。
まとめ
『シャーロック・ホームズの世界大図鑑』は、新たな研究と視点で描かれるホームズの魅力を存分に楽しめる一冊であり、これからの読者にとって必携の書となることだろう。