2024年10月10日に、株式会社リイド社から新刊『貝の声を聞け』が発売される。この作品は、著者テラシマが描く心温まる恋愛物語だ。物語の主人公、細川有輝は、毎日仕事を終えて帰宅する際、SNSの鍵アカウントでストレスを発散する日常を送っていた。しかし、ある日偶然出会った男性との出来事が、彼の人生に思わぬ転機をもたらすことになる。
細川は道で出会った男性、渡会潮と不意に接触したことで、スマートフォンを失くしてしまう。彼はそのスマートフォンを追いかけ、再び渡会の家に辿り着く。渡会は小説家を名乗り、すぐに意気投合した二人は、互いの秘密を少しずつ打ち明け合うことになる。しかし、細川は自らがゲイであることを渡会に知られてしまい、その後の交流がどう展開していくのか、読者は興味をそそられるだろう。
特に、この物語においては、細川と渡会の心の声が響き合う瞬間が描かれている。彼らはそれぞれ自分の苦悩を抱えつつも、新たな自分を見つけるための勇気を持って接近する。細川は、最初は自分の性を隠していたが、次第に渡会との関係を通じて、自己受容が進んでいく。反対に、渡会もまた、彼に秘めたるものがあり、相手との対話を通じて自らの内面とも向き合っていくのだ。
本作の魅力はその繊細な描写にあり、細川と渡会がどのように互いの心の声を聞き、理解し合う様子がしっかりと描かれている。彼らの対話からは、孤独を感じながらも一歩踏み出す勇気が伝わり、恋の生まれ方がとても自然に感じられる。また、物語の中では、リアルな人間関係が描かれ、読者自身が共感をもって捉えやすくなっている。
『貝の声を聞け』は、受け手の心に寄り添うような物語であり、BLレーベルmimosaから刊行される。発売日には、アニメイトやコミコミスタジオ、ホーリンラブブックスなどで特典リーフレットや描き下ろしペーパーがもらえる企画も用意されている。このような特典を通じて、読者はより一層作品を楽しむことができる。
加えて、mimosaのX(旧Twitter)アカウントをフォローすれば、非売品のポスターやPOPが当たる企画にも参加できるため、ファンにとって嬉しいチャンスが広がっている。作品の魅力と共に、このようなイベント情報も逃さずチェックすることが重要だ。
リイド社は、この新刊を通じて、孤独や愛についての深い考察を提供することを目指している。細川と渡会がともに歩む道のりは、心の声に耳を傾け、真実の自分と向き合うことの重要性を教えてくれる。恋愛も友情も、人は他者と接することで成長することを忘れてはいけない。この作品は、そんなメッセージを受け取れる1冊となるだろう。