Z世代のコミュニティの実態を探る
プレマシードが実施した調査
株式会社プレマシードが2025年8月に実施した「Z世代のコミュニティ実態調査」では、特に新たに高校生になるα世代が求める学校の姿について考察がなされています。本調査は、1997年から2012年に生まれたZ世代の中でも、コロナ禍以降の教育環境や価値観が形成された2002年から2010年生まれの高校生に焦点を当てています。具体的には、598名に対して実施された調査は、Z世代がどのようにコミュニケーションを行っているのか、どのような居場所を求めているのかを明らかにしました。
オンラインコミュニティの台頭
調査結果によると、友だちとのコミュニティの中で最も多くの回答を得たのは「学校」で89.3%、次に「近所」が25.5%、続いて「家族・親戚を含む親しい人たち」が18.7%でした。しかし、興味深いことに、「オンラインでの共通の趣味を持つコミュニティ」も11.2%という結果を示しました。この数字は、従来のサークルや学習塾よりも高いため、オンラインコミュニティの重要性が浮き彫りとなりました。
SNSにおける関係性の変化
さらに、SNSを通じて出会った「リアルでは会ったことがない人」との関係についての設問では、「趣味や推しの話が合えば十分親しくなれる」という見解が82.2%に達しました。一方で、「会ったことのない人との関わりに不安を感じる」と答えたのは81.7%だったことから、Z世代の若者たちはオンライン上での親しみやすさを感じているものの、少なからず不安を抱いていることが分かります。
深いつながりか、浅いつながりか
調査では、友だちとの関係性について「狭く深い関係が多い」と考える割合が70.6%に達しましたが、それと同時に深い話をしない友だちがいるという回答は87.0%でした。この結果は、Z世代がコミュニティや関係性を柔軟に選択していることを示唆しています。彼らにとって、人間関係は形式的であると同時に、趣味や価値観によって深まるものでもあるのです。
SNSの活用と人間関係の疲れ
SNSのアカウント所有については、70%以上の高校生がInstagramを利用しており、X(旧Twitter)も過半数以上が複数のアカウントを持っていると回答しました。インタビューでは、多くの人が友人や家族用のプライベートアカウントと、趣味を共有するためのアカウントで使い分けていることが明らかになりました。
しかし、同時に「コミュニケーションに疲れた」と感じる兆候も見られ、約80.8%が何らかの形で「コミュニケーションに疲れや面倒さを感じたことがある」と答えています。
孤独や悩みを感じる瞬間
孤独を感じる瞬間についての質問に対しては、34.0%が「自己肯定感が低下しているとき」を挙げ、次に「周りに話せる友人がいないと感じたとき」が32.5%でした。この結果から、Z世代はコミュニティを自ら選ぶことで、より自分らしい生き方を選ぼうとしていることが分かります。実際、高校生たちの中には、学校生活に息苦しさを感じ、通信制高校やフリースクールを選ぶ動きも増えています。
まとめ
この調査結果は、Z世代の生き方や学びに対する考え方が如何に変化しているかを示しています。これまでの教育の枠組みでは、彼らに求める圧力が強まる一方、柔軟な選択肢を提供できる通信制高校の存在がますます重要視されるようになっています。α世代が高校生となったとき、これらの傾向はさらに強まることでしょう。