日本のスタートアップエコシステムを変える「11KS」の誕生
2024年10月1日、一般社団法人イレブンケーエス(11KS Institute)が東京都千代田区に設立されました。この新たなNPO法人は、日本のスタートアップエコシステムの高度化およびグローバル化を目指す重要な機関となります。設立時の代表理事であるフィル・ウィックハム氏は、アメリカのベンチャーキャピタリストであり、「11KS」の理念と方向性を強力に牽引しています。
日本の課題と「11KS」の役割
日本はGDPで世界4位を誇る国ですが、スタートアップの発展には課題が多く、ユニコーン企業の数は日本が11社で12位に留まっています。これはアメリカや中国と大きな差を示しています。その背景には、資金調達の仕組みや起業家の質、行政のサポート不足などが影響しています。このような状況を打破するために、「11KS」が設立されました。
「11KS」は、起業家やベンチャーキャピタリスト、教育関係者や公務員など、国内外のリーダー候補を育成するためのカリキュラムや研究を実施します。その手段として、教育プログラム、カンファレンスを通じて、彼らが持つ知識を社会に還元し、実践的かつ国際的に通用する人材を育てることを目指しています。
初のカンファレンス「Unlock Japan」開催
設立を記念して、「11KS」は東京で「Unlock Japan」というカンファレンスを開催。この会では、世界60カ国以上から集まったスタートアップエコシステムの専門家や起業家が登壇し、実際の経験や知見を日本のエコシステムに役立てるためのセッションを行います。このイベントは日本のスタートアップコミュニティにとって貴重な機会となるでしょう。
さらに教育プログラムでは、起業家、投資家、事業会社に関与する受講生が、講義や実習を通じて体系的に学び、自らの専門性を高める環境が提供されます。初回の受講生募集は2025年1月から始まります。スタートアップに関心のある人はぜひ参加を検討してみてください。
フィル・ウィックハム氏のビジョン
設立時代表理事のフィル・ウィックハム氏は、11KSの名称の由来について「11 km/sの速度で地球の重力圏を抜け出し、リーダーを育成するため」と述べています。彼の経験から得た知識を活かし、日本のスタートアップエコシステムを globally つながる独自の成長パートナーとして育てていくことを目指しています。
書籍のリリース
また、ウィックハム氏の著書『2032年、日本がスタートアップのハブになる:世界を動かす才能を解放せよ』が10月15日より発売されることも注目されます。本書では、成功するスタートアップを生み出すためのエコシステムの仕組みを解説しています。これは日本の起業家精神やスタートアップ文化を描く新たな視点を提供します。
結論
「11KS」という新たなイニシアチブが、日本のスタートアップエコシステムの発展に向け、さまざまなアプローチで貢献していくことが期待されます。日本はこれから、より多くのグローバルスタンダードに適合したスタートアップを生み出す土壌が整備されていくことでしょう。