北海道の介護職員調査結果
北海道における介護職員の意識調査の結果が、地域特有の課題や将来への不安を明らかにしました。本調査は、ドクターメイト株式会社が行い、213名の介護職員が対象です。調査は2025年8月26日から9月1日までの間にインターネット上で実施されました。
感謝が原動力に
介護職員が最もやりがいを感じる理由は、利用者やその家族からの「ありがとう」の言葉でした。この回答は全体の33.3%を占め、介護職が思う以上に感謝の気持ちが彼らのモチベーションになっていることを示しています。この傾向は関東地方の調査でも同じく確認されており、地域を超えて共通する価値観です。
満足度は二分化
満足度についての質問では、「どちらともいえない」が43.7%を占め、肯定的な意見(やや満足ととても満足を合わせて36.1%)もあったものの、否定的意見(20.2%)よりも多く、現状維持が多くの職員の意見の表れと言えるでしょう。
北海道特有の課題
問題点として挙げられたのが「賃金水準が低い」ことで37.6%がこれを指摘しました。また、32.9%の人が人材の確保、特に若手が集まりにくいことを課題視しています。尚、北海道ならではの問題として、交通の便が悪いという回答も9.9%あり、この数値は東北地方の5.9%を上回る結果となっています。このことから、道内の広大な土地が業務に影響を及ぼしている様子がうかがえます。
将来への不安
今後5年間にわたる介護提供体制の持続可能性について尋ねたところ、67.1%が否定的な意見を持っており、強い懸念が存在することがわかりました。これは、東北地方よりも高い割合で、北海道の介護職員が将来への深刻な不安を抱えていることを示しています。
介護業界への期待
ドクターメイト株式会社は、国内において1,400を超える介護施設に介護職向けの医療教育サービスを提供しており、業務改善を図るための知識やスキルを向上させる取り組みを行っています。特に近年は、介護職の人材育成に力を入れ、オンライン専門医療養指導や皮膚科オンライン診療など新しいサービスを展開しており、業界全体の底上げを目指しています。
まとめ
この調査からは、北海道における介護職員が直面している現状と、その中でもモチベーションを保つ要因が見えてきました。しかし同時に、交通の便や賃金への不満、将来に対する不安が介護業界の持続可能性を脅かしています。今後、これらの課題を解決するための取り組みが求められています。