唐揚げ専門店の倒産減少と定着の兆し
株式会社帝国データバンクの調査によると、2024年には唐揚げ専門店の倒産が大きく減少する見込みです。具体的には、負債が1000万円以上の法的整理による倒産が16件にとどまり、前年の27件から約4割の減少を記録しました。この結果から、唐揚げビジネスは一時的なブームを経て、安定した市場に移行していることが読み取れます。
唐揚げブーム終了か?
持ち帰り唐揚げの需要が急増したコロナ禍では、多くの店舗が参入し短期間で激しい競争が生まれました。しかし、2024年に入ると、その競争が緩和され始め、小規模な店を中心に淘汰が進む一方で、残った店舗はリピーターを獲得する戦略に成功しています。
コロナ禍におけるテイクアウト需要が高まったことから、唐揚げ専門店は増加しましたが、原材料費の高騰や持ち帰り需要の減少など、様々な困難に直面。特に、2024年に倒産した店舗の約90%は資本金が1000万円以下の小規模店でした。これにより、経営基盤が脆弱だった店舗は淘汰される結果となりました。
定着の兆しと新たな競争環境
幸いにも、生き残った店舗は独自の戦略を展開し始めました。唐揚げの価格差が縮まり、専門店相手にコンビニや冷凍食品が値上げしているため、競争の環境も変化しています。これにより、専門店はコスト削減やメニューの多様化を図り、付加価値を高める施策を進めています。
また、持ち帰り唐揚げの人気が高まる中、専門店は「美味しい唐揚げ」を求めるリピーターの獲得に成功。その結果、唐揚げは「ブームからの定着」へと向かう傾向が見受けられます。これは、タピオカティーが数年前に経験したプロセスと似ています。
今後の展望
しかし、唐揚げ専門店の未来には新たな競争が待ち受けています。おにぎり店などの新たな持ち帰り・中食ビジネスが台頭してきており、さらには食品スーパーも唐揚げの商品ラインアップを強化しています。これにより、唐揚げ市場の競争は引き続き激しさを増すと考えられます。
消費者のニーズも変化する中で、専門店がどのように競争を制していくのか、今後の動向に注目です。持ち帰り業界の進化とともに、唐揚げ専門店がどのように自らの地位を確立していくのか、さらなる注目が必要です。