マンダムが見出したカミツレエキスの可能性
株式会社マンダムは、名古屋市立大学と協力し、皮膚の感覚受容体であるTRPV1の抑制効果がある特定のカミツレエキスについての研究を進めてきました。この研究成果は、敏感肌に対する新たなスキンケアの方向性を示すものです。
TRPV1とは何か?
TRPV1(Transient Receptor Potential Vanilloid 1)は、熱や酸、化学刺激に反応して活性化され、皮膚の不快感や痛みを伝える役割を持つ受容体です。環境ストレスが原因で、TRPV1の過剰活性化が引き起こされ、敏感肌の原因となることが明らかになりました。
環境ストレスと敏感肌の関係性
日常的に私たちの肌は、紫外線や大気中の微粒子(PM2.5)、乾燥などの環境要因によって多くのストレスを受けています。これらはバリア機能の低下や炎症を引き起こし、「ヒリヒリ感」などの不快な刺激を生み出します。このような状況の中、TRPV1がどのように影響を及ぼすのかにマンダムは着目しました。
研究の過程と成果
マンダムの研究チームは、まずPM2.5やUVBを用いてヒト皮膚に対するTRPV1の反応を確認しました。その結果、環境ストレスが神経伸長因子の発現に影響を与え、TRPV1活性化を促進することが示されました。次に、約2,700種の天然由来化合物に対して、TRPV1の抑制能力を持つ成分をハイスループットスクリーニング法で探索しました。これによって、特定の成分が含まれたカミツレエキスがその効果を持つ可能性が示唆されました。
カミツレエキスの効果
TRPV1活性化剤を用いた試験では、カミツレエキスを含むローションを塗布したことで、不快刺激が有意に低下したことが確認されました。また、敏感肌の被験者を対象にした連用試験によっても、特定のカミツレエキスの効果が実証されました。このことから、敏感肌ケアにおいてカミツレエキスが有望な成分であることが示唆されます。
今後の展望
この研究は、環境ストレスが敏感肌を悪化させるメカニズムを解明するとともに、特定のカミツレエキスの有効性を証明しました。マンダムは今後も、心地よさと機能性を兼ね備えたスキンケア技術の研究を進め、快適な使用感を提供する新たな製品の開発を目指しています。敏感肌に悩む人々にとって、カミツレエキスは理想的な選択肢となるでしょう。さらに、この成果については2025年にフランス・カンヌで行われる国際化粧品技術者会連盟の大会で発表される予定です。
まとめ
マンダムの研究は、敏感肌ケアに新しい視点をもたらし、特定のカミツレエキスが持つ可能性を証明した重要な成果です。環境ストレスを受けた敏感肌を安定させる新たな製品の開発に期待が寄せられています。