ロート製薬の新しい挑戦:ヒューマノイド開発プロジェクト
ロート製薬株式会社がフィジカルAIを駆使した「ヒューマノイド開発プロジェクト」をスタートさせることを発表しました。このプロジェクトは、同社の経営ビジョン「2030Connect for Well-being」に基づき、働く人々のウェルビーイングを向上させ、次世代のものづくりを実現することを目指しています。
プロジェクトの実施拠点となるのは、上野テクノセンター。この場所では、サイバーフィジカルシステム(CPS)を駆使し、フィジカルAIとデータの循環を通じて変化する環境に適応した製造方法を確立することを目論んでいます。将来的には、ヒューマノイドが製造現場で人と協力しながら最適な作業モデルを実現することを目指しています。
背景
ロート製薬は、製造品目や生産量の増加、サプライチェーンの複雑化といった変化する製造環境に対応し、社員がいきいきと働ける環境の充実に力を入れています。その一環として、「人と環境にやさしいスマート工場」を体現する上野テクノセンターを中心に、IoTやセンサー技術を用いたCPSを実装し、工場内部の最適化を進めています。これにより、業務負荷の軽減と生産性の向上を両立し、働く人が高い付加価値を生む業務へシフトできる新たな製造モデルの構築を目指します。
今後の展開
ロート製薬は、段階的にフィジカルAIの導入を進める方針です。これまでのCPS基盤を活かし、物理空間とデジタル空間を融合させた環境において、実証と改善を迅速に行い、技術の蓄積と安全性、実効性の検証を進めていきます。具体的には、軽量物の自動搬送から安全巡回やラインの監視業務、箱詰めの補助業務までを対象としたフィジカルAIの活用が計画されています。
フィジカルAIは、環境と相互作用しながら最適な行動を導き出せる新たな技術です。海外ではすでに活用が進んでいますが、安全性や運用に対する慎重な姿勢から、日本国内では実装事例は少なく、活用の余地が大いにあります。このため、ロート製薬は上野テクノセンターをプロジェクトの推進拠点とし、外部の先端技術や専門技術者と連携しながら迅速な実証を進めていく計画です。
上野テクノセンターについて
1999年に操業を開始した上野テクノセンターは、ロート製薬の主力商品である「Vロートプレミアム」やスキンケア製品「肌ラボ極潤ヒアルロン液」の生産を担う重要な拠点です。品質管理や物流においても中心的な役割を果たし、2022年には新たにC棟が稼働を開始し、さらなるCPSの活用に向けて実証活動を進めています。ロート製薬は今回のプロジェクトを通じて、単なる業務の自動化にとどまらず、働く人々の可能性を広げる新たな現場作りに挑戦し、企業としての理念「人が中心にある」を実現していく所存です。