アボットが心房細動に対する新治療システム「Volt™ PFA」を発売
2026年11月1日、アボットメディカルジャパンは心房細動の治療に新たに「Volt™ PFAシステム」を導入したことを発表しました。このシステムは、薬物治療で効果が不十分な発作性心房細動(PAF)や持続性心房細動(PerAF)のカテーテル治療に用いられるもので、全身麻酔に依存しない柔軟で効率的な麻酔管理が可能です。
心房細動治療における革新
心房細動は世界中で最も多い不整脈であり、日本国内でも100万人以上の患者が存在するとされ、今後もその数は増加する見込みです。この疾患は動悸や息切れを引き起こすだけでなく、脳梗塞や心不全のリスクも高めるため、早期診断と適切な治療が強く求められます。
「Volt™ PFAシステム」は、これまでの高周波(熱)や冷凍エネルギーを用いる治療法とは異なり、高電圧の電気パルスを用いた新しいアブレーション技術です。この技術によって、周辺組織への影響を抑えるとともに、短時間で安全性の高い治療が可能になります。
効率性と安全性
アボットは、米国などで行われたVOLT-AF IDE試験およびVOLT CE Mark試験において、Voltシステムの安全性と有効性の実績を示しました。これらの試験結果では、意識下鎮静または深鎮静下で施術した場合、全身麻酔による施術に比べて治療室の滞在時間が約18%短縮されることが確認されています。また、手技時間も平均16分短縮されるなど、医療現場での効率を大幅に向上させる可能性があります。
トップ医師も期待を寄せる
東京医科大学病院の里見和浩教授は、「PFAは日本に本格導入されて以来、心房細動治療に大きな変革をもたらしてきました。Voltは次世代のPFAテクノロジーとして、安全性を向上させながら、多様な患者ニーズに応えるための重要な治療選択肢となるでしょう」と言及しています。
さらに、アボットのEP事業部長であるレイチェル・トレース氏は、「Volt PFAシステムはシンプルな操作性と手技の効率性を備えた画期的な治療法です。今後も患者様に最善の治療結果をお届けすることを目指し、技術革新を推進していきます」と述べています。
実施状況と今後の展望
日本国内では、すでに複数の医療機関でVoltを使用したPFA治療が行われています。アボットは、今後さらに導入を進め、多くの患者に対して安全で効果的な治療を提供するために努めています。アボットの理念に基づき、患者のQOL向上に寄与することを目指し、Voltの活用が期待されています。
心房細動は今後も増加することが見込まれる中、Volt™ PFAシステムはその治療の選択肢を広げ、医療現場における課題解決に貢献することでしょう。