アミノインデックスⓇの研究成果について
味の素株式会社が進めるアミノインデックスⓇの研究によれば、血液中のアミノ酸濃度が低下している状態が、必須アミノ酸サプリメントによって改善される可能性があることが示されています。この研究成果は、今後の健康管理や病気予防において重要な意味を持つと考えられ、十月に開催予定の第40回日本臨床栄養学会総会で発表される予定です。
アミノインデックスⓇの意義
アミノインデックスⓇは、人の健康状態を評価するための指標です。人間の体重の約20%はたんぱく質から成り、その主要成分がアミノ酸です。アミノ酸は体内で筋肉やコラーゲンの構成要素だけでなく、酵素やホルモンといった重要な役割も果たしています。このため、体内のアミノ酸濃度は一定に保たれる必要があります。
しかし、がんや生活習慣病などの影響で、このアミノ酸濃度が正常から変動することが報告されています。アミノインデックスⓇは、これらの変化をモニタリングすることで、現在の健康状態や病気のリスクを評価する手段として利用されます。
生活習慣病リスクスクリーニング(AILSⓇ)の内容
アミノインデックスⓇにはいくつかのスクリーニング方法があり、特に生活習慣病リスクスクリーニング(AILSⓇ)は注目されています。AILS®は、血液中の必須・準必須アミノ酸の濃度を測定し、これが低下していないかを確認する検査です。特に、4年以内に糖尿病を発症するリスクを評価することができます。
検査結果と健康状態
最近の研究によると、血液中のアミノ酸濃度が低い人の特徴として、高齢者や若年の女性にその傾向が見られます。空腹時に血液中のアミノ酸濃度を計測した結果、必須・準必須アミノ酸の低下が確認された場合、それは注目すべき健康指標となります。
さらに、血清アルブミンやヘモグロビン、リンパ球などの栄養や免疫に関連する指標が基準値を下回るリスクが高まることが分かりました。このことは、火急の健康管理が必要であることを示唆しています。
アミノ酸サプリメントの影響
味の素はアミノインデックスⓇを利用し、アミノ酸濃度が低下している人々にロイシン高配合の必須アミノ酸サプリメントを摂取してもらい、その効果を検討しました。その結果、約2か月のサプリメント摂取によって、血液中のアミノ酸レベルが有意に上昇したことが確認されています。これにより、アミノ酸サプリメントが健康維持に有効である可能性が示唆されました。
未来への展望
味の素は、今後もアミノインデックスⓇによって血液中のアミノ酸濃度を定期的にモニタリングし、健康状態の把握とライフスタイルの改善を促進することで、病気リスクの軽減に寄与することを目指しています。食事やライフスタイル全般の改善を通じて、健康維持に貢献するために、さらなる研究開発に力を入れる所存です。
この研究の詳細は、10月に開催される第40回日本臨床栄養学会総会で知ることができます。
参考リンク
ニュースリリース