亜太電信が台湾初のIoTマルチプラットフォーム「IoT by Gt Smart Life」を発表

台湾のスマートアイランド化に向けた新たな試み

亜太電信（APT）は、2016年8月9日にその歴史的な一歩を刻みました。台湾初となるデュアルネットワーク対応のIoTマルチプラットフォーム「IoT by Gt Smart Life」を発表したのです。このプロジェクトは、2年以上にわたる調査研究と開発の成果であり、台湾のスマートアイランド化に向けた重要な一環とされています。

IoT by Gt Smart Lifeとは

この新しいプラットフォームは、富士康科技集団（Foxconn）によるハードウェアと、FH-NetによるLoRaネットワークを活用し、亜太電信がアプリケーション開発を手がけています。パートナー企業にはActilityやIBM、Cisco、Semtechなどが参加しており、これによりIoTエコシステムを構築しています。このプラットフォームは、製品メーカーや研究機関への「IoT by Gt Smart Life公認IoTパートナー」の募集も行っており、パートナーは無料でLoRaネットワークを利用できる特権があります。

LoRaWANの優位性

LoRaWANは、距離、カバーエリア、時間、コストに優れており、亜太電信はこれを活用した省電力広域ネットワーク（LPWAN）を通じてIoT機器の接続を進めています。2020年までには、ネットワークに接続される機器数が数億台に達すると見込まれており、台湾はIoTのリーダー国としての地位を確立することになります。台北と桃園の都市圏にはすでに500箇所以上のLoRaWANホットスポットが設置されています。

グローバルな取り組み

LoRaWANは世界中で多くの企業によって採用されており、約400の企業が参加するLoRaアライアンスが形成されています。このアライアンスには、ActilityやIBM、Ciscoといった技術リーダーが名を連ね、IoTにおける成功事例の発信を目指しています。LoRaWANを利用した長距離通信技術に加え、低コスト・省電力な特性が武器となります。

アプリケーション革新の加速

「IoT by Gt Smart Life」のローンチによって、開発者には新しいアプリケーションの構築が求められます。このデュアルネットワークプラットフォームは、CiscoやIBMと連携し、オープンかつ共有型の開発環境を目指しています。特に、Actilityの「ThingPark」を基盤としているため、アプリケーションの革新が促進されることでしょう。

スマートシティとトラッキングサービス

初めてリリースされたデモ用アプリケーションには、「スマートシティ・アプリケーション」と「トラッキングサービス」が含まれています。前者では即時に水道・電気・ガスのメーターの確認が可能で、異常の警告も表示される仕組みになっています。また、トラッキングサービスでは、自動車やペットの位置情報をリアルタイムで送信し、ジオフェンス警告なども発信できます。これにより、スマートエコシステムの構築も進みます。

未来に向けて

IoT by Gt Smart Lifeプラットフォームは、車のインターネットやスマート工場、さらにはスマート農業といった多様な分野に展開できる可能性を秘めています。亜太電信は、このプラットフォームが台湾の新たなIoT関連産業の成長を促進することに期待を寄せています。台湾が次世代IoT市場で重要な役割を果たす日もそう遠くはないでしょう。

Actilityについて

Actilityは、LPWA通信におけるイノベーションの先駆者として知られています。次世代のIoTプラットフォーム「ThingPark」を提供し、IoT機器の接続やアプリケーションの開発を支援しています。LoRaアライアンスの創設メンバーでもあり、オープンなIoTスタンダードの実現に寄与しています。詳細はThingParkの公式サイトをご覧ください。