中小企業のDX推進実態調査:進展は乏しい
フォーバル GDXリサーチ研究所が実施した「第4回 中小企業のDX推進実態調査」によると、全国の中小企業の約74%がデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進において導入初期段階にとどまっており、実践の進捗が著しく乏しいことが分かりました。本調査は、中小企業におけるDXの浸透度や課題を把握することを目的としています。
DXの認知度は向上の兆し
2021年に比べ、DXを「説明できる」との回答が増加したものの、全体的には「知らない」という回答も増加しており、企業におけるDX認知は二極化しています。具体的には、「DXを知っている」との回答は63.3%に達した一方で、「知らない」が15.2%に増加したことが注目されます。これは、企業内でのDXに対する理解が進みつつある一方で、情報不足やそれに対する関心の低さが浮き彫りになっています。
推進の進捗状況
調査結果によれば、企業のDX推進レベルは約7割が「意識改革段階」に留まっています。実際の「事業改革段階」まで到達している企業はわずか5.3%で、つまり大多数の企業が実行段階に進んでいないことが示されています。これは「取り組ができていない」との回答を合わせると、合計74.2%にも上ります。
データ化の進展とその課題
月次の売上や利益データはおおむね半数の企業でデータ化が進んでいるものの、各従業員のスキルやパフォーマンスに関しては、わずか9.7%しかデータ化されておらず、情報整備の進捗には大きな差があります。特に人材情報の整備が未整備であることは、今後の成長におけるボトルネックとなる可能性があります。
専門家の見解
フォーバル GDXリサーチ研究所の所長、平良学氏は、「DXの認知度は微増しているが、その実践についてはほとんど進展していない」と指摘しました。対応する人材不足や費用面の課題がDX推進の妨げとなっていると推測され、企業は国の補助金や外部の専門家を活用しつつ、早急にDXを推進すべきであると強調しました。
GDXの必要性
中小企業の成長は日本経済全体の活力に貢献するため、企業の変革を図る「GDX(Green Digital Transformation)」の重要性はますます高まっています。フォーバル GDXリサーチ研究所では、中小企業が成長するための情報や支援を提供するべく、調査や発信を行っています。企業の成長に向けた観点からも、DX推進のための具体的な対策が求められています。
まとめ
今後も中小企業のDX推進における実態や進捗状況を注視する必要があります。認知が進む一方、実際の実践段階には差が生じていることから、企業はしっかりとした戦略を持って進めることが不可欠です。