教育現場におけるデジタルトランスフォーメーションの先駆け
大日本印刷株式会社(DNP)と三菱総研DCS株式会社(DCS)が、教育分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するために協力することを発表しました。彼らは、中学校や高等学校の入試及び校務に関わる業務支援サービスを共同で提供することに合意しました。この協業により、入学試験の手続きから採点、合否判定までをデジタル化し、教職員の業務負担を軽減し、受験者にとっての利便性を高めることを目指します。
協業の背景と目的
中学・高校の入試手続きは、これまで紙の出願書類の手渡しや郵送提出、試験の結果通知など、様々な業務がアナログで行われてきました。このため、教職員や保護者、生徒に大きな負担がのしかかっていました。しかし、2024年3月にデジタル庁が実施した調査によれば、入試全プロセスをデータで完結できる可能性が示されており、DNPとDCSはその需要に応えるべく協業を決定しました。
協業の具体的な内容
この協業の第一弾として、DNPの学びのプラットフォーム「リアテンダント」と、DCSの「miraicompass」シリーズを絡め、入試及び校務業務のDXを進めます。具体的には、両社がそれぞれの製品を顧客に提供し、機能を連動させたソリューションを2025年度内に開始予定です。これにより、教職員の日常業務や受験生の成長を支援し、学校の未来を切り開いていくことを目指します。
主要製品の紹介
- - リアテンダント:このプラットフォームは、テスト採点をデジタル化し、そのデータをもとに指導の質を向上させることができます。現在、国内260の自治体と約3800の学校で採用されており、デジタル採点市場でのシェアを誇っています。
- - miraicompass:DCSが提供するこのサービスは、全国1900校で導入されているインターネット出願サービスの中心に据え、受験から入学手続き、在学中の教務や学費情報の管理までを一貫して支援します。
今後の展開
今後は、DNPが持つ3Dメタバース技術やDCSの決済サービス、さらには教育関連データの活用支援やBPOサービスを組み合わせることで、学校運営の効率化、教育の質の向上を図っていく予定です。これにより、教職員や保護者、生徒にとっても利便性を一層高めることが期待されています。
大日本印刷株式会社について
1876年に創業した大日本印刷は、現在、幅広い事業分野で製品とサービスを提供する世界有数の印刷企業です。教育分野では、「リアテンダント」やメタバースを使った学びの場の提供など、多様な取り組みを展開しています。
三菱総研DCS株式会社について
1970年に設立された三菱総研DCSは、金融や教育を含む幅広い分野で、コンサルティングやシステム開発、アウトソーシングサービスを提供しているITソリューション企業です。入試関連サービスの「miraicompass」など、多くの実績を誇っています。
この協業により、教育現場のデジタル化が進み、より多くの生徒や教職員がそのメリットを享受できる未来が期待されています。