物流×ITを体験する中高生向け企画
東京都の新宿区に本部を構えるパルシステム連合会が、8月4日と5日の両日、中高生を対象にした職業体験企画を開催しました。この企画は、物流とITの連携を学ぶ機会として設けられており、特に中学1年生から高校1年生までの7名の生徒が参加しました。彼らは、稲城市にあるITと物流を融合させた体験施設で、実際に生協の宅配サービスの仕組みを見学し、その裏側を学ぶことができました。普段では知ることのできない流通の現場を直接体験することで、生徒たちは興味を深めていました。
経済の「血液」を支える仕組みを実体験
今回の職業体験は、パルシステムの「おしごと体験」を企画している稲城事務センターで行われました。その施設には、実際の物流センターで使用される仕分け機が設置されており、オリジナル動画やパネル、タブレットを用いて、宅配サービスの仕組みをわかりやすく伝えています。この体験を通じて、中高生は物流を支える情報システムやその重要性についてさらに深く学ぶことができました。
体験初日は、店舗と宅配サービスの違いを理解することから始まり、生徒たちは店舗内を巡り、買い物時の顧客の心理や商品配置の意図について考察しました。また、宅配サービスが食品ロスを減らす仕組みにも触れ、いつも目にする流通の裏側についての認識を高めました。実際に利用者からは、毎日約16万件の注文があり、そのデータは情報システムで集計されていることを学びました。生徒たちはタブレットを通じて、これらのデータがどのように流れるのかを視覚的に確認し、注文操作を体験することができました。
さらに、仕分け機の集品体験では、チームで競い合いながら、効率的な作業方法を試みました。この体験を通じて、生徒たちは物流の裏側や、どれだけの人々が協力して業務が遂行されているのかを理解しました。
食品ロスを考えるワークショップ
2日目は、宅配サービスにおける食品ロスをテーマにしたワークショップが行われました。生徒たちは、食品ロスが生じる理由についてチームで話し合いました。異常気象や製造現場でのトラブル、物流面での問題など、さまざまな要因が結果として食品ロスにつながることを認識しました。パルシステムは、産地や製造者と協力し、食品ロスを削減する取り組みを進めていることを紹介しました。
また、パルシステムがリユースやリサイクルを促進し、プラスチック削減に向けた活動も行っていることが話題に上がりました。これらの取り組みは、利用者の声を反映した活動であり、生活協同組合としてリーダーシップを発揮しています。生徒たちは、こうした実践的な活動がSDGs(持続可能な開発目標)にどのように貢献しているのかを学び、将来の仕事について考える方法を見出しました。
コラボレーションの大切さを再認識
話し合いの最後には、生徒たちが関心を持った社会的な課題について、自分が協力したい相手とともに解決を試みる方法を考えました。ゴミ問題やリサイクル促進、さらには食品ロス削減に向けたアイデアを持ち寄り、小さな協同を形にする活動が展開されました。参加した生徒たちには、今後の進路を考える際には、人と人が協力し合うことが重要であることを改めて感じてもらいたいというメッセージが伝えられました。この職業体験を通じて、未来へ向けた新たな視点を得ることができたのではないでしょうか。
終わりに
この職業体験企画は、東京都の「こどもスマイルムーブメント」として公式に認められています。今後もこのような取り組みを通じて、若い世代が主体的に社会に貢献していくことを期待したいですね。
東京都「こどもスマイルムーブメント」中高生職業体験サイト