日米情報セキュリティ投資比較
2013-12-26 11:02:28
日米企業の情報セキュリティ投資に大きな差!米国企業の圧倒的な対策強化の背景とは?
日米企業の情報セキュリティ投資に大きな差!
近年、サイバー攻撃や情報漏洩事件が頻発する中、企業の情報セキュリティ対策はますます重要になっています。MM総研が行った日米企業の比較調査によると、日本企業の情報セキュリティ投資は、米国企業に比べて著しく低いことが明らかになりました。
投資額の比較:米国企業の圧倒的な差
調査では、ICT投資額に占める情報セキュリティ投資の比率を比較しました。その結果、全企業規模において、日本企業は米国企業を下回っており、その差は従業員数が増えるほど大きくなる傾向が見られました。従業員数100名以上の企業では、日本企業が5.7%であるのに対し、米国企業は7.2%と1.5ポイントもの差がありました。大企業(従業員数5,000名以上)では、日本企業6.4%、米国企業8.4%と、さらにその差は広がっています。
日本企業のICT投資額は25兆円(2012年度推定)ですが、情報セキュリティ投資額はその5%程度にとどまっています。一方、米国企業のICT投資額64兆円(1ドル=104円換算)に対し、情報セキュリティ投資額は6%を超えています。日本企業が米国企業並みの投資比率にまで引き上げると仮定した場合、約3,700億円もの増額が必要になると試算されています。
対策の遅れ:導入率の低さが課題
具体的な対策をみると、ウイルス対策ソフトなどの導入率には大きな差はありませんが、URLフィルタリング製品やWebアプリケーションファイアウォールなどの導入率は、日本企業が米国企業を大きく下回っています。従業員数100名以上の企業において、URLフィルタリング製品の導入率は、米国企業72.5%に対し日本企業は48.0%、Webアプリケーションファイアウォールは、米国企業70.9%に対し日本企業は41.8%にとどまりました。
さらに、セキュリティ監視・運用サービスの導入率にも大きな差があります。米国企業では、ウイルス対策やスパムメール対策などのアウトソーシングサービス導入率が60%を超える一方で、日本企業は30%程度にとどまっています。UTM、IDS/IPSなどの監視・運用アウトソーシングやセキュリティコンサルティングサービスの導入率も、米国企業が50%を超えるのに対し、日本企業は20%程度です。
経営者の意識:セキュリティへの関心の低さが浮き彫り
経営者の情報セキュリティに対する意識についても、大きな差が見られました。米国企業では、「経営者は情報セキュリティを極めて重要と考えている」と回答した企業が45.4%、「重要と考えている」企業が36.0%と、合わせて8割以上の企業がセキュリティ対策を重視していることが分かります。一方、日本企業では、「極めて重要」と回答した企業は17.8%、「重要」と回答した企業が50.1%と、米国企業に比べ、セキュリティ対策への関心が低いことが明らかになりました。
今後の展望:クラウドサービスと連携したフルレイヤーサービスへの期待
今後のセキュリティ対策として、注目されているのが、クラウドサービスと連携したフルレイヤーサービスです。米国では、このタイプのサービスを重要視する企業が77.3%に達し、クラウドサービスの普及率の高さとも相関関係が見られます。日本でも、クラウドサービスの利用率は増加傾向にあり、それに伴いフルレイヤーサービスへの需要が高まると予想されます。
まとめ
本調査の結果から、日本企業の情報セキュリティ対策は、米国企業に比べて遅れている現状が明らかになりました。投資額、対策の導入率、経営者の意識、いずれにおいても、日本企業は米国企業に大きく水をあけられています。今後、日本企業は、情報セキュリティ対策を強化し、米国企業並みの水準にまで引き上げる必要があります。そのためには、経営者の意識改革、適切な投資、最新の技術導入など、多角的なアプローチが求められます。
会社情報
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株式会社MM総研
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